そのVtuberは、安楽椅子探偵
猫屋 寝子
第1話
彼女と出会ったのは、仕事の休憩中に見たある切り抜き動画だった。
『生配信で冤罪の証明!? 桜の樹事件の解決に貢献したバーチャル・探偵【
動画サイトのオススメ欄に出てきたそのタイトルは、刑事である私の興味を引くに足るものだった。
「桜の樹事件って……去年の春に起きた連続殺人事件だよね?」
思わず呟いた私に、目の前に座っていた同期の
「桜の樹事件なんてネーミングの事件、それしかないだろ。確か、桜の下には死体が埋まっているっていう都市伝説が由来なんだよな? 実際の事件では埋められたわけじゃなく、木の根元に遺棄されていたわけだけど」
聞き捨てならない言葉が聞こえて、私は思わずスマートフォンから視線を上げた。黒髪の醤油顔のイケメン――古河は可愛らしく首を傾げている。様になる仕草だが、見慣れると何とも思わない。
私は人差し指を振りながらチッチッチッと舌を鳴らした。
「都市伝説じゃない。梶井基次郎の『桜の樹の下には』に出てくる一文が由来なの。『桜の樹の下には
「ああ、はいはい。暗唱せずとも、あとで読むから。――で? あの事件がどうかしたのか?」
暗唱を軽くあしらわれ、思わず唇を尖らせた。古河には何度か近現代文学について語っているからか、語り始めた私を止めるのが段々と上手くなっている。
なんだか釈然としないが、遮られてしまっては話を続けにくい。私はため息をつくと、視線と話をスマートフォンに戻した。
「この動画、気にならない?」
私はスマートフォンを古河に向けて見せる。古河は一目見ると、「ああ」と小さく頷いた。
「明智ミケの切り抜き?」
「え、明智ミケを知ってるの?」
思ってもいなかった反応に驚く。彼が動画サイトを見ている
「桜の樹事件で有名になったバーチャル・タレントだろ? 警察の中でも話題になってたぞ。この子のお陰で冤罪を防げたって」
古河はそう言うと、私にスマートフォンを返す。フィクションのような話に、私は言葉を失った。
――どこかの探偵のおかげで冤罪を防げたという噂は聞いていたが、それがバーチャル・タレントだなんて知らなかった。まさか、本当に明智ミケは配信で冤罪を証明したというのか。
「信じられないなら、見てみたらどうだ? 俺も実際にその配信を見たわけじゃないから、その切り抜き動画、見てみたい」
古河はそう言うと、私の隣へと席を移した。シャンプーの香りがふわりとする。古河が想定していたよりも近い距離に来て、私は思わず少しだけ横にずれた。彼の距離感はいつも近い。
そんな私を気にすることなく、古河は私の返事を待たないまま動画の再生ボタンを押した。
――――――
画面に映ったのは、白色の髪に薄茶色と黒色のメッシュ、頭の上部に猫耳みたいな三角のお団子2つという髪型をした可愛らしい女の子。紺色のパーカーを着ており、中性的な声をしている。彼女が明智ミケなのだろう。
どうやら、切り抜き元の配信では『生配信中に届いたメールフォームからの相談事を生配信中に解決する』という企画をやっているようだった。この切り抜き動画は、その企画の中で指名手配されていた被疑者が冤罪を晴らしてほしいと相談してきたところから始まる。
『えっと……次の相談なんですが、ちょっと訳ありそうなので、コメントオフにします』
明智ミケはそう言うと、コメント機能をオフにする。指名手配犯からの相談ということで、配慮したのだろう。
彼女はさらに赤字で『コメント欄閉鎖中』と大きく画面にテロップを表示させた。
『この相談、配信で受けるか迷ったんだけど、急を要すると思うからやっちゃうね。相談者さんは
私は思わず唾を飲み込む。容疑者、新井
それは古河も同じだったようで、「本人からだったとか、まじかよ……」と小さな声で呟いていた。
不意に明智ミケの右側に長方形が表示され、そこに桜の樹事件についての概要が書かれ始める。
***
【桜の樹事件】
去年の春に起きた連続殺人事件。1回目は
それぞれ桜の樹の根本に刺殺された遺体が遺棄されていた。遺体は頸動脈を切られており、多量の血液が桜の樹の根本に流れていた。どの遺体からも睡眠薬が検出されている。被害者は全員二十代で大学のミスコンテスト優勝者や現役モデルなど、容姿の美しい女性だった。
被疑者は植物をメインに撮る写真家、
***
すべてを打ち終わると、明智ミケは再び口を開いた。
『桜の樹事件について知らない人は、右側の概要を見てね。時間短縮のために、口頭での説明は省きます』
自分の認識と相違ない情報に頷く。隣で古河が再び呟いた。
「タイピング、早いな」
「確かに――って、そこ、重要じゃないから」
古河の何気ない呟きにツッコミを入れると、動画に集中する。
『相談内容は冤罪を晴らしてほしいということなんですけど――まずは詳細を聞きたいな。メールフォームに打ってくれたアドレスに相談用のサーバー送るので、入室お願いします。声の出演がオッケーであれば通話に、チャットだけがよければ通話に入らずチャットで返事をお願いします』
確かに、本人から詳細を聞かなければ冤罪の証明もできないだろう。本物の探偵のような話の進み方に、少しだけ気持ちが高ぶるのを感じた。
「相談用のサーバー? そんなものがあるのか?」
真剣な声色で尋ねる古河に、私は画面から目をそらさないまま答える。
「配信者とか友達とゲームする人たちがよく使うんだけど、テキストチャット――俗に言うメールみたいな文字でのやりとりと、ボイスチャットっていう通話機能のあるアプリがあるの。恐らく、そのアプリを使った相談用のサーバーだと思う」
「へえ、詳しいんだな」
「ちょっと前、バーチャル・タレントにハマってよく動画を見てたの。そこで結構使われてるアプリだから――」
『あ、声ありオッケーみたいなので、配信載せちゃいます』
私の声を遮るように明智ミケの声が聞こえ、口を閉ざす。古河の意識も画面に移ったのが横目で分かった。
数秒後、低い男性の声が聞こえる。
『えっと……はじめまして。新井と申します。よろしくお願いします』
『新井さん、よろしくお願いします。あ、ちなみに配信には載せてないけど、ビデオ通話にして顔が見えているから、桜の樹事件の新井さん本人だと確認済みです。偽物の心配はないよ』
――抜かりない。
「抜かりないな」
私の心の声と古河の声が被った。私は古河に同意するよう数回頷いた。本物の探偵らしい警戒心だ。ただビデオ通話をしてるとなると、ひとつの疑問がわきおこる。
――明智ミケは自分の顔も晒しているのか?
バーチャル・タレントは、実際に配信している通称“中の人”の顔バレを禁忌としている。いくら相談者といえど相手はリスナーだ。顔バレはあまりよろしくないだろう。自分は顔を出さない、一方的なビデオ通話をしているのだろうか。
『で、早速だけどいくつか質問があります』
そんな私の疑問を他所に、話はどんどんと進んでいく。
『あなたが事件現場となった3箇所の桜の写真を撮ったのは本当ですか?』
『……本当です。最初は綺麗な人が桜の樹に寄りかかって座っているだけだと思ったんです。その美しさに思わずシャッターを切ってしまって……。その後の2件も同じです。さすがに遺体と遭遇することが続くなんて思ってもいなかったから……』
語尾がだんだんと弱くなる新井。自身の行動を後悔しているかのような暗い声色に反して、明智ミケは優しい声色をして言った。
『新井さんは桜の樹の美しさに惹かれて、植物の写真家になったんですもんね。美しい桜と美しい人。これが合わされば撮りたくもなります』
その返答は自然なもので、同情とは違う、純粋な共感に感じられる。しかし、刑事としての経験が脳内に警鐘を鳴らす。これは純粋な共感なんかではない。自身を信用させ色々と話をさせる話術だ。意識しているのか、自然と出てしまっているのかわからないが、彼女は話を聞くのが上手だと思った。
『その女性が亡くなっていると気づいたのは、その後ですか?』
『はい。後出しですが撮影許可をもらおうと桜の樹に近づいたんです。そしたら、彼女は血をたくさん流していて、亡くなっていると分かりました。僕は死体の写真を撮ってしまったんだと気づき、急に怖くなって……。誰かが近づいてくる声が聞こえて、思わず逃げました。多分、死体を撮るという不謹慎なことをしてしまった罪悪感からだと思います』
――わずかに震える声色。これが演技であれば、すごいものだ。
『なるほど。では次の質問。あなたは何故、現場となった桜の名所に行ったのですか?』
『
横目で真剣な表情を浮かべる古河が目に入る。真相を知っては言えども、彼も一緒に推理をしているようだ。
「全部違う人間から聞いたのか?」
『それは全員違う方?』
古河と同時に明智ミケが口を開く。――流石、探偵と警察。推理をする上で必要な情報は同じようだ。
『はい。教えてくれたフォロワーは全員違うアカウントでした』
『なるほど』
「ふうん」
再び古河と明智ミケの声が被った。
彼女は何か調べ物をしているのか、タイピングの音が聞こえる。それも数秒のことで、彼女はすぐに話を続けた。
『今、新井さんのアカウントを見てるけど、確かに全部違うアカウントからオススメされているね。でも――』
そう一旦溜める明智ミケ。その先のセリフにドキドキしていると、古河がぽろっと零した。
「IPアドレスが同じだったとか?」
「え!?」
古河の発言は自分にない視点で、私は驚いて古河を見た。その答え合わせをするよう、明智ミケは答えを口にする。
『IPアドレスが一緒。ということは、そのアカウントは皆同一人物である可能性が高いね』
「やっぱり」
古河の得意げな顔に、私は称賛の声を喉にしまった。ここで褒めると古河が調子に乗りそうでなんだか悔しかった。
画面の中の明智ミケはさらに言葉を続ける。
『ちなみになんですけど、アリバイはあるんですか?』
新井は落ち込んだように小さく息を吐いた。
『それが、いつものように一人で写真を撮りに行ったのでアリバイを証明できる人はいないんです』
『一人で写真を――ね』
明智ミケはそう言いながら、しばらく黙り込む。何かを確認しているようだ。
『あなたのアカウントを見ると、桜の樹に行く前、いくつかの植物の写真を撮っているみたいですね。ちょうど事件発覚の3時間前かな。綺麗な菜の花を見つけたから写真を撮った、とか可愛いオオイヌノフグリ発見、って投稿がある。それぞれの事件当日、撮ってるんだね。場所は――調べた感じ、どこも桜の樹から徒歩で1時間半程かかるくらい離れたところだ。でも、その投稿に写真は載せていない。その理由を聞いても?』
明智ミケの質問に、新井は迷うことなく答える。
『写真は一眼レフで撮っているので、SNSに写真を上げるときはパソコンからあげているんです。だから、その場で写真をあげることはいつもしていなくて』
『なるほど。おそらく警察はこの投稿をアリバイ工作のためだと考えているだろうね。被害者の死亡推定時刻は遺体発見の3〜4時間前だってニュースで言ってたから』
明智ミケの話に付け加えるよう、古河が口をはさんだ。
「ここまで狭い時間で絞れたのは、遺体の状態が良かったからだってな。春に起きた事件でまだよかったって
「そうなんだ。道理で死亡推定時刻の幅が狭いと思った」
私は納得して頷く。在坂さんとは私達の先輩であり、桜の樹事件解決に尽力した刑事の一人だ。優しい人だが、怒るととても怖い。
私は脳裏に浮かんだ在坂さんを頭から追い出すと、先ほどの話を脳内で整理する。
――つまり、推定死亡時刻である遺体発見の3〜4時間前に、容疑者である新井は現場から徒歩1時間半離れたところにいたということか。しかし、一人でいたのならばアリバイの証明は難しいだろう。
明智ミケはさらに質問を続ける。
『普段、写真を撮りに行くときは徒歩なんですか?』
『はい。車の免許を持っていないので、バスで桜の一番近くのバス停まで行って、そこから徒歩でいろんな植物を撮りながら向かいます。今回は偶然、どのバス停も近くにコンビニがあったので、そこに寄って飲み物とか買ってから行きました。山中にある桜なので、近くのコンビニから現場までは徒歩で2時間くらいかかります』
「山桜の撮影ってなると、そうなるのか。写真家も大変だな」
古河がそう苦笑いを浮かべる。
「きっとこの人は自然を満喫する散歩が好きなんだよ。私達と正反対の趣味だね」
「だな」
古河と私はゲームが趣味であり、仕事の同僚兼ゲーム仲間でもある。アウトドアも嫌いというわけではないが、アウトドアよりインドアが性に合っているのだ。
『そうなると――』
明智ミケが口を開いたため、私達も話を止めて動画を見入る。
『怪しいのは大里村公園を教えた友人、かな』
彼女の言葉に、私はとても驚いた。その際、私の口が開いていたのだろう。横にいた古河から「口開いてるぞ」と笑われた。
私は古河を横目で睨む。
――驚くのも無理はないだろう。犯人は彼女の言った通り、大里村公園を教えた友人だったのだから。
桜の樹事件の犯人は新井の友人であり、新井が植物の写真を撮ることが好きなことを逆手に取り罪を着せようとしていた。その思惑はうまくいって警察は新井を犯人として指名手配したのだが――その冤罪に気づかせてくれたのが明智ミケらしい。
古河に反論もできない私を置いて、動画は進む。
『もちろん、これは新井さんが犯人ではないという前提を基にしないと成り立たない。だけど、新井さんが犯人だとして、複数のアカウントを作ってまで偽装工作をするかな? 偽装工作をしたところでその桜の写真を撮れば疑われるに決まっているのに』
「そうだよな」
満足げに頷く古河。私は引っ掛かりを覚えて、小さく「う~ん」と唸った。確かに、明智ミケの言っていることは筋が通っている。しかし、それだと新井が犯人であった場合、成り立たないのではないか。
『というわけで、新井さんは冤罪だと思うので、警察に情報提供します。彼が冤罪かどうかの判断をするのは警察の仕事。だから一市民としてこちらの世界にお邪魔している私は、情報提供という形で貢献させてもらいますね。ちょうど現実世界の刑事さんに知り合いがいるので、そちらに伝えておきます』
『あ、ありがとうございます!』
驚いたような、ほっとしたような新井の声。
『それじゃあしばらくしたら指名手配が解除されると思うので、通話を切りますね。ご相談、ありがとうございましたー』
そう言って明智ミケは新井との通話を切った。私は先ほど覚えた違和感を口にする。
「でもさ、これは新井さんが犯人じゃないという前提を基にした推理でしょ? 新井さんが犯人でないという証拠にはならないんじゃない?」
「それは――」
古河が答えようとした時、もう終わりかと思えた動画の中の明智ミケが再び口を開いた。
『警察への連絡は今さっき終えましたので、皆の疑問に答えたいと思います。皆、きっとこう思ってるよね。さっきの推理は新井さんが犯人ではないという前提で考えており、本当に新井さんが犯人だった場合、成り立たないのではないか、と』
私の疑問そのままであり、私は思わず画面を食い入るように見る。答えようとした古河も、口を閉ざし明智ミケに委ねたようだ。
『ここで、背理法を使用してみよう。高校数学でやるよね、背理法。あれと同じような方法で証明をしていきます』
――背理法。ある命題を証明するのに、その命題が正しくないと仮定して、その命題が矛盾していることを導き、それ故にその命題は正しいと証明する証明方法。
高校数学でやった記憶がある。懐かしい響きだ。しかし、背理法をどうやって推理に生かすというのだろうか。
「背理法を使うのか」
古河も意外そうな声を出している。明智ミケはしれっとコメント機能をオンにして話を続ける。
『新井さんが犯人だと仮定して考えると、警察の考えている通り、新井さんの桜の樹を撮る前の投稿はアリバイ工作のための嘘だということになる。あの投稿が事実なら、新井さんは死亡推定時刻に現場から1時間半離れたところにいたこととなり、犯行は不可能になるからね』
これは先ほどの話にも出ていたことなので、理解できる。一人でいたわけだから、あの投稿が真実であるという証明もできない。
――『一人でいたから、事件前の投稿が本当かどうかは証明できないね』。
私の気持ちを代弁したかのようなコメントがテロップで流れる。
『それがそうとも言えないんだな』
「え? どういうこと?」
思わずこぼれた言葉に、隣で古河がニヤニヤと笑うのが視界の隅に入った。彼は明智ミケの言いたいことが分かっているらしい。彼を一睨みし、私は動画に意識を集中させた。
『新井さんの一眼レフがその証拠になる。カメラには撮影日時が記録されるでしょ? だから、事件当日に撮った菜の花やオオイヌノフグリの写真の撮影日時を確認すればいい。そこで投稿時間と相違がなければ、あの投稿は真実であり、最初の仮定と矛盾する。犯人は新井さんじゃない』
明智ミケの解説に、私は「あ、そっか」と納得する。カメラの撮影日時が証拠になるとは盲点だった。
再びテロップでコメントが流れ、明智三毛はそれを読み上げる。
『犯行後、菜の花を撮りに行っていたら、可能性はある――って?』
古河が隣で首を横に振っている。それと同意見のようで、明智ミケも『それはないね』と言い切った。
『もし彼が犯人で、殺害後に菜の花を撮りに行っていたとしたら、どうしてまた遺体の写真を撮りに1時間半もかけて現場へ戻ったんだろう。第3の事件の現場では、写真を撮っているところを第一発見者に見られて逃亡している。犯人の行動としては違和感を覚えるよ。それに、犯行現場から菜の花の場所へは徒歩で1時間半もかかるんだ。物理的に考えても、死亡推定時刻内に犯行は不可能だよ』
――『写真を撮る共犯者がいた可能性は?』。
続けてテロップで表示された疑問に、明智ミケはすらすらと答える。
『新井さんはコンビニの防犯カメラに一人でいるところを撮られている。それが共犯者などいない証明になると思うよ。一人だったからアリバイの証明が難しいと思われていたけど、実際はそれが潔白の証明になる』
「なるほど……」
私は思わず感嘆の声をもらす。――こうして冤罪が明らかになったのか。
隣で同意するよう大きく頷いている古河は置いておいて、私はひとつの可能性を見いだした。
――彼女になら、あの事件が解けるかもしれない。
そう思った時、休憩室の扉がノックされる。意識が動画から現実世界に引き戻された。
「休憩中のところごめんね。事件の進展があったから共有したいんだけど、ちょっといいかな?」
扉から顔をのぞかせ言ったのは、先ほども話題に出た先輩刑事の在坂さんだった。童顔で可愛らしい顔立ちをした在坂さんは、見た目だけで言うと二十代前半に見える。実際は三十代だというのだから驚きだ。
――そういえば、桜の樹事件に関わった在坂さんなら、明智ミケの存在を知っているかもしれない。あとで、彼女に協力依頼が出せないか相談してみよう。
私は古河と顔を見合わせ頷き合うと、動画を止めて在坂さんの後を追い休憩室から出る。
その道中、古河が私にこそこそと話しかけてきた。
「明智ミケに捜査協力が出せないか相談してみようぜ」
「奇遇だね。私もそう思ってた」
私たちは互いに口角を上げると、再度頷きあい、この後の捜査会議へと臨んだ。
そのVtuberは、安楽椅子探偵 猫屋 寝子 @kotoraneko
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