わたしが信じる恋だとか愛だとか狂おしさも、愛しさも、寂しさを置いてゆく深夜の部屋で、光の届かぬ深海で、肌が触れて、濡れて、濡れて、小さく灯った喜びは、しじまの欄干を渡るのです恋だとか愛だとかあなたの優しさは寒くもないのにちぢこまり風の痛みに吹きすさぶけふを見過ごし、ゆるされずのぞみの無きをおもいしる恋だとか愛だとか茫漠するさざ波の打ち付ける海の肌は正直に、夢はあらわにすがりゆき碧く澄んで、ふかまるのです恋だと愛だとかわたしの手をさすりわたしの肌をすべりやすらぎをさびしさを泡沫と飛沫と消えず満たされぬ充足をあなたはしるのです…続きを読む
読み終わった後、ため息が出るほど作者様の筆力に圧倒されました。私には真似できない作者様ならではの世界観と描写力。素晴らしかったです✨幻想的な光景が浮かんでくるようでした。またあえて「」を使わずに世界観を維持しているのも流石でした❣️素敵な作品を読ませていただき、ありがとうございました!!🍀
失恋の痛みと「ふつう」に押し潰されてきた語り手(作者様?)の心を海で包み直す幻想譚、なのかなと感じました。現代仮名遣いに現実の息苦しさや恐怖を担わせ、旧仮名遣いを時間や常識を超えた母胎的な言語として作用させ、結果的に、それが読者を揺蕩うようなリズム感へと誘うことになっていると思います。その文体の差異は、救済が現実の外から訪れること、そしてそれが同時に危うい共依存でもあることを鮮明にさせるように働いているような気がいたしました。甘美で非常に官能的、かつ選び取った世界から引き返せない切実さが恐怖として存在する不思議な印象の物語であると感じました。
最初の仮名遣いの変化で、一瞬(某有名な作品の)ちゃかぽこ…のコーラスが頭をよぎったのは私だけだろうか。そういう狂気めいた風味ながら、どこまでも美しく飾られ、より深い悲哀を感じさせる作品だ。
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