ん?という序盤の違和感を取っ掛かりに、瞬く間にこの作品にのめり込んでしまう素晴らしいSF作品です!本当に構成力が凄くて脱帽の一言⋯
何度も読み返せる工夫がされております!
一章でも読んだらもう虜です。主人公を応援するしかなくなりますね👍✨
日常に潜むズレが段々取り返しの付かないことになっていくゾワゾワ感。知らない記憶、知らない人、知らない謎。それらが交錯する時、ある衝撃の事実が立ちはだかります。
タイムパラドックスや時間移動が大好きな方には確実に刺さりますし、SFは理解が難しいな〜と思う方でも楽しめるように現在の状況を上手く登場人物達が纏めてくれますので安心です!
今、この瞬間を生きている自分は本当に自分自身なのか?
それを深く考えさせられる一作。
是非ご一読をオススメしたいです(☆▽☆)
最初は、学校を舞台にした犯人捜しのミステリーかな?
と思って読み始めたんですが、写真がない、アルバムに自分が写っていない?そんな違和感が少しずつ積み重なって、
「自分がだれなのか、ほんとうにこの世界にいるのか?」という不安に変わっていく展開に引き込まれました。
そして読み進めるうちに、単なる記憶の謎ではなく、
「人を信じたい」「自分で選びたい」という温かな想いを感じました。
自分の存在証明をめぐるSFでありながら、人の優しさや絆を丁寧に描いているのが印象的です。
「自分」という存在の意味を、もう一度考えたくなる作品でおすすめです♪
『池袋ウエストゲートパーク』
が好きな作者様。
影響をかなり受けているそうです。
ウエストゲートパークの主人公、
マコト。
饒舌口調の一人称が魅力的でした。
KaniKan🦀様のお作品も、主人公の独白に近い表現となっています。
このお作品、
『青春ジュブナイルの顔をしたアイデンティティSF』と称されてます。
1〜5話は、何か変な日常を描き、
6話以降、異能を秘めた主人公を中心に物語が不思議な世界へ加速していきます💨
作者様は、各エピソードの終わりに、
『貴方の声で、ストーリーが変わることもあるかもしれません』
とおっしゃっておられます。
読者と一緒に物語を紡いでいこうという気持ちが表れています💖
『NIGHT HEAD』と言う、テレビドラマがありました。
超能力と言うありふれた題材ではヒットしないと言わていたのが、予想を反して、大ヒット!
それまでは、異能を持つ者は益を得られると言うイメージに対して、この作品は、超能力を持つことで周りや自分を不幸にする負のイメージで描かれたことが斬新でした。
KaniKan🦀様のこのお作品。
新たな、異能のイメージを作り出されています✨
ぜひ、お読みください😊♪
最初は軽いラノベかと思って読み始めると、作者の意図通りうまく騙される?
序盤の学園ノリから一転、記憶操作や時間移動といったSF要素が絡み合い、最終的には「自分とは何か」という哲学的な問いに直面させられる。
主人公の一人称で進む語り口が絶妙で、読者も一緒に混乱し、一緒に真実を知っていく構造になっている。特に、日常の違和感から始まって徐々に世界の謎が明かされていく展開は見事。ゲーム攻略メモという形で情報整理をする主人公の発想も現代的で面白い。
「青春ジュブナイルの顔をしたアイデンティティSF」という作者の言葉通り、軽やかに始まって重厚な SF に発展していく。キャラクターの心情描写も丁寧で、特に未来から来た子供たちの背景には胸が痛くなる。
第1話の軽やかな雰囲気に惹かれて読み始めたら、気づいたときには物語の深い世界に引き込まれているはず。
第十話までのレビューです。
質問です。あなたは本当にあなたですか?
突然こう聞かれたら「はぁ?」と耳を疑うでしょう。
あなたは本当のあなたではない。自分が自分でなくなる。私は私ではない別の誰か。
もしそれが仮に事実だとしたらどうでしょうか。
それもあなたは消された存在として世の中が回っているとしたら、どんな心地がしますか?
実は、これらを可能にする人智を超える力が存在するのです。地に足がつかない、どこか浮遊した感じがして気持ちが落ち着かない……そんな作風が不穏な空気をふわりとまとわせます。
私は本当の私ではないと知った時、私はこの世に存在していいのでしょうか?
自身のアイデンティティの猜疑と崩壊がいい塩梅で脳を破壊する本作、自分が自分であることを証明しないと大変なことになりそうですよ。
誰かが自分になりすまして、勝手に動いている。
屋上から飛び降りた「オレ」、授業中に歩き回る「オレ」、知らない視線、残された足跡。
すべては悪質な冗談か、それとも——「もう一人の自分」の仕業か?
将介の平凡な日々は、そんな異物の侵入によって、少しずつ歪み始める。
敵意を向ける見知らぬ少女レイ、彼女を連れる少年タクト。
「おにーさんに似てるけど……違う」
彼らは何かを知っているのに、決して核心を語ろうとしない。
それでも将介は巻き込まれていく。日常という名の薄皮を一枚ずつ剥がされながら。
青春の余白に潜む不穏と、正体のわからない罪。
名もなき放課後に、静かに忍び寄る影が、すべてを飲み込もうとしていた。