概要
世界を騙して、あなたを守る。
「俺の彼女は、世界で一番イケメンだ」
齋藤伊織は、誰もが振り返る完璧な騎士。対する「俺」こと調月時雨は、彼女に甘やかされる平凡な彼氏。
誰もが羨む理想のカップル――だが、その正体は、世間の「正しさ」から爪弾きにされた二人が、性別さえも欺いて共有する、あまりに美しく歪な「共犯関係」だった。
「明日になったら、また嘘をつきに行こう。世界で一番、美しい嘘を」
これは、嘘という名の鎧を纏い、本当の自分を殺すことでしか愛し合えない、孤独な獣たちの救済の物語。
齋藤伊織は、誰もが振り返る完璧な騎士。対する「俺」こと調月時雨は、彼女に甘やかされる平凡な彼氏。
誰もが羨む理想のカップル――だが、その正体は、世間の「正しさ」から爪弾きにされた二人が、性別さえも欺いて共有する、あまりに美しく歪な「共犯関係」だった。
「明日になったら、また嘘をつきに行こう。世界で一番、美しい嘘を」
これは、嘘という名の鎧を纏い、本当の自分を殺すことでしか愛し合えない、孤独な獣たちの救済の物語。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!「普通」と相容れない二人の、力強い尊厳の物語。
イケメン彼女と、平凡な男子である「俺」。本作は、そんな二人の描写から始まります。しかし、二人の関係は「嘘」であることが、次第に明らかになる・・・
本作の中盤では、文芸的な、濃密な心境描写が続きます。その妖しい程に美しい描写は、二人が「嘘」でその身を鎧わねばならない理由を、克明に暴いてゆく。
そして、ラストシーン。タイトル『鏡の中の共犯者』の意味を、回収するラストシーン。
嘘で世界を騙して互いを守りあう、共依存のような関係性が美しい。
社会の「普通」とは相容れない二人の、美しくて力強い尊厳に、胸を打たれました。
ぜひ最後までお読み頂き、この読後感を感じて頂ければと思います。 - ★★★ Excellent!!!彼らは、明日もまた嘘をつきに行く。その嘘は彼らを真実へと変える
語り手である調月時雨が、自分のイケメン彼女である齋藤伊織との関係について語る本作。
時雨をエスコートする伊織のスマートさはどんな男性にも引けを取らないほどであり、その容姿や言動は周囲すらも魅了する。そんな伊織のエスコートを受けながら恥じらいを感じたり時に男らしさを発揮したりする時雨もまた魅力的な登場人物であり、二人とも実に人間味があると感じた。
だが、本作の魅力はそこだけではない。キャッチコピーにもある世界を騙してという点。周囲も羨むほどの二人の関係性にはとある“嘘”がある事がここから感じられる。それがどんな嘘なのかは実際に読んでみて確かめて欲しいが、その嘘はあまりにも美しく、その嘘は二人の…続きを読む