第3話 いわゆる2Eギフテッドを活かせない問題は無関係ではない


 私は彼と出会って非常にもったいない、と感じた。あそこまでの数学力が活かせない日本はこのまま、落ちぶれてしまう一途をたどるような気がしてままならなかった。

 彼はおそらくは発達障害とギフテッドを持ち合わせた2Eギフテッドだった。発達障害の中にも少数派ではあるが高IQの当事者が存在する。そういう私も高IQの発達障害者で当事者だ。高IQの障害当事者は二重の意味で苦しみを味わう。ある面では優れている面もあるため、障害者界隈からも浮く可能性があるのだ。

 少数派の2Eギフテッドは二次障害も発症しやすく、ドロップアウト、引きこもりなどの問題も抱えやすい。知り合いに東大卒の友人がいるが彼もまた当事者で生きづらさを抱えていた。東大卒でもうまくこの社会で進められない当事者も少なくはない、と彼から聞いた。

 たとえで言えば、初耳学で出演した都央君くらいの才能の保持者が障害者施設に行くしかない、という現実があるのだ。決して、障害者施設をないがしろにしているわけではないが、目の前でその少年の異才ぶりを見て私はひどく嘆いた。

 この問題、実は孫正義財団にもメールで送った。読まれるかは分からないが彼のような異才がこの日本で埋もれないよう、私は微力ながら発信を続けようと思う。

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自立訓練で出会ったハーバード大学の英語で書かれた数学書を解けた少年 詩歩子 @hotarubukuro

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