今回のテーマ回収「 ぼくにもできそう 」

今日の夕飯はチョコレートバーのフライだ。


カズトは最近元気がない。ならば、血糖値を跳ね上げてメンタルをかち上げ、三大栄養素で一番エネルギーの高い脂肪で肉体にエネルギーを漲らせる‼︎

これぞ元気の料理


チョコレートバー、これだけで濃厚なチョコレートに砕いたナッツ、たくさんのお砂糖とケミカルXなシロモノ


ホットケーキミックス、それもサーターアンダギー想定の水分0の濃いやつにくぐらせて、そのまま油で揚げる


箸でつまみ口に運ぶと、外はサクサク、中はトロリとチョコが溶ける。甘さが脳に直撃し、心臓がビートを刻むように元気になっていく。


「カズト、ご飯できたよ‼︎」


「なんだよ、いきなり」


揚げ油の匂いとチョコの香り、熱々の手触り。乱暴だけど、これこそ生きる喜びのフライ。今日の元気は、このカリカリとトロトロに詰まっている。


「その揚げチョコレートバー、さあ、どうぞ召し上がれ(はあと)」

「こんなアメリカの肥満児の主食かよ」


カズトはあんまり元気にならないみたいだ。まあ、二本目からはボクの体も警鐘を鳴らし出してるし、仕方ないのかも。具体的には夜勤明けにリボビタンDとモンスターエナジーを飲んでそのまま遊びに行く時に匹敵する動悸に見舞われている。



「ね、こんなふうにボクにもできることはあるんだよ、カズトももっといろんなことをできるようになってみたら?」



「いやだ」

即答だった。

「できる人が持て囃されるのは楽できるからなんだよ。お前はエキノコックスとかレイコクロリディウムにチョーの声で「あなたに寄生すると楽ですねえ〜!もっとできるようになってください!」と褒められて嬉しいか?プラーガの選ぶ、「人気の寄生先ベストテン!」のトップをとってうれしいか?むやみにできることを増やすってのは、人に使い倒されて死ぬってことなんだよ。よーく覚えとけ」


できることが多いのも、考えものかもしれない


流石のボクも考え込まざるを得なかった

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

GWO 花森遊梨(はなもりゆうり) @STRENGH081224

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画