骸の父は夢を見ない・狂愁のエルフ、ヴァリアロンドの旅

　冒険者の酒場に現れた娘、ネリアは行方不明の義兄を探してほしいという依頼を持ち掛ける。しかし、夢魔の仕業と思われるその依頼を引き受けたいという者はいなかった。ひとりのエルフを除いては。
　ヴァリアロンド、エルフの剣士。魔物を狩る実力者にして、腰にぶら下げた二つの頭蓋骨と会話する狂人。誰もが忌避するそのエルフは言った。「報酬はそれでいい。生まれてきた子供が、息子の友達になってくれるかもしれないから……」
　彼は何を求めて旅を続けるのか。ネリアは骸となった家族と語らう戦士と共に夢を喰らう怪物を追う。ノベルアップに投稿した作品の転載です。