星空のカレンダー

しとえ

星空のカレンダー

 カレンダーに星のマークを1つ付ける。

昔こんな風に星印をいっぱいつけたカレンダーを破いて捨てたことを思い出す。

……あれからもう5年も経ったんだ。


 星野くんと付き合っていたのは学生時代。

私は彼とデートするたびに、カレンダーに星印を書いた。

それは大事な記念日の記憶。

初めて会った日の印から付き合い始めた日の印、デートのたびに増えていく印を眺めながら、心の中に星空が広がっていった。

それは美しい思い出の星。

記憶は夜空になりキラキラと輝き、満天の星空の幸福が私の胸をおおった。

きっとこの美しい空は永遠に私の心の中で輝き続けると思っていた。


 だからカレンダーを破いて捨てる日が来るなんて思わなかった。

彼の留学が決まって、私たちは別れることになってしまった。

空港で彼を見送って、家に帰ってきて目にしたカレンダー。

それはもう2人の美しい思い出の印ではなくなった。

その星を見るのもつらかった。

 気がつけば ビリビリに破いてゴミ箱に放り込んでいた。

星のない闇の夜が私に訪れたようだった。

それから5年、特に恋愛などすることもなく私も卒業し就職した。


 再会は本当に偶然 映画を見に行った時にだった。

席を立とうとして彼がいることに気がついた。

「久しぶり」

「星野くん ! え、嘘」

その後まるで5年の歳月などなかったかのように話が弾んだ。

お互いどうしているか連絡先を交換した。


 2人の再会の日。

―カレンダーには一番星ひとつ―

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