鬼と呼ばれた少女が、本物の異形になるまで

「鬼高の鬼」と恐れられた少女が、死んで本当の"鬼"になる。

その皮肉が物語の軸になっている。

短い文を積み重ねる戦闘描写は切れ味抜群で、読んでいて息が止まる。
姉への最後の言葉が「大嫌い」だったという後悔が、彼女を十年間あの廃神社に通わせ続けた。その執着が、怪異への扉を開いてしまう。「白い妖気」という赤ん坊の証を持ちながら、覚醒直後に強敵を圧倒する矛盾。

その謎と、籠女という新たな出会いが、物語をどこへ連れていくのか。

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