そこにガラスがあるかは、ぶつかった者にしかわからないのだから。

 カクコンに参戦された平手さんのエースの作品です。
 「すばらしい」としか言いようのない力作です。
 お話は、どちらかというと難解なのですが、人の生き方の方向性や魂の根源を問うような、哲学的な作品です。
 タカアシガニの彼は、発達障害の方だったのか、現実世界ではすり減って死の直前にあったわけですが、神の意図と違う方向から息吹を吹き込まれ、精神的再生を達成します。
 ディジュリドゥの彼は、神の意図を気づいていなかったわけですが、タカアシガニの彼を正しく導きました。結果的には正確に「彼がもっと輝く生き方」を見抜いていたとも言えます。
 
 他者が見ても、その人の正しい在り方は分からない。
 そして遅すぎることはない。そのあり方を取り戻したとき、人は再び輝き、世界は光で充たされるのです。

 平手さん渾身の一作。私には到底書けません。
 これはお勧めです。

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