遺体を降ろすだけ。たったそれだけで40万。でも決して楽な仕事ではない。

衝撃的なタイトルと、あらすじ内の設定に引き込まれて思わず読まされた本作。
湖の上に吊るされた、どこからともなく垂れるロープ。
そしていつの間にかそのロープにぶら下がる遺体。
そんな不気味な謎だらけの湖に、「遺体を降ろすだけ」というお仕事。
警察に届けるわけでもなく、かといって遺体を岸まで運ぶわけでもない。
本当に「降ろすだけ」。
それだけで、ポンと手取り40万です。
特殊な技術が必要なわけでも、資格を要求されるわけでも、知識が必要なわけでもなく……やろうと思えば誰でもできる、でも誰もが御免被りたい、そんな仕事です。

謎です、理解が追いつかないことが多すぎます。
これこそが作者の術中というものでしょう。
現在公開分、たった2話です。
それだけなのに、この得も言われぬ不気味さと、倫理観を試されるようなゾクゾクとした薄気味悪さ、心を蝕まれるような芯に迫るリアリティに飲み込まれ、魅せられました。
これはちょっとやそっとじゃ味わえる感覚ではありません。
非情に挑戦的なテーマの本作に、きっとあなたも「読まされる」ことでしょう。