かの有名な童話を思わせる語り口の中に、現代的な空気が混ざっていて、不思議な感覚で読み進めました。身近な題材が使われている分、物語としての距離が近く感じられ、自然と想像が広がります。細かく説明されすぎないところも印象的で、読み終えたあとに「これはどういう話だったのだろう」と、考える時間をもらえた気がしました。印象深い作品です。
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(222文字)
「鏡よ鏡……」といえば、『白雪姫』の王妃。でもこの物語では、王妃は魔法の鏡ではなくXに問いかけます。白雪姫は、田舎の高校に通う美少女。ネットとは縁がなかったようですが、王妃がXを始めさせて……。時代に合わせた白雪姫の物語は、なんだかとっても毒のあるお話に。毒といっても、りんごの話ではありません。さてさて、この奇妙な物語、あなたは笑っていられますか……?