昨今の創作界隈は、生成AIという存在を前に大きく揺れています。
実際問題、カクヨムでも生成AIを用いることに対する是非が問われる議論が広がり、運営サイドも重く見たのか様々な対応策がとられることとなったのは、記憶に新しいと思います(他人事のように話しておりますが、私のエッセイが火付け役の一端を担っていたように思います)。
AIは、ある意味人の心を映し出す鏡のような存在です。
有能な人間が使えば、どこまでもその実力を引き出すことができる良き相棒のようなツールになり得ます。
しかし、頭の足りない者が使えば、AIの吐き出す内容だけを盲目的に信じ込み、それに振り回される奴隷ともなり得ます。
欲深き者や傲慢な者が使えば、どこまでもその欲や傲慢さを増幅させて、その身を滅ぼすまで食い尽くします。
心無い人でなしが使えば、どこまでも悪意に満ちた行為に使われていくことでしょう。
そう言う側面を鑑みるに、AIはまだ人類には早すぎる技術であり、万人に触れられるような使われ方はすべきではないと思います。
しかし、パンドラの箱は既に開け放たれ、技術は野に放たれました。
手に余るほどの便利すぎる道具を手にしたとき、果たしてあなたは「まともな人」でいられるでしょうか。
自らの暴走を咎め、踏み止まらせてくれる人は身近にいるでしょうか。
あなたが冷静になった時に振り返ることができる程度の、僅かばかりの良心の呵責は残っているでしょうか。
進化し続ける技術に対しての警鐘と皮肉の利いた、エッジの鋭い作品です。
今の時代こそ、読んでおきたい作品ですね。
いつの時代もあった、道具(ツール)をどう扱うかと言うお話。
有史以来、人間は数々の便利な物を作り上げてきた。
使用するのは自由だが、全ては使用者の使い方次第である。
人を楽しませる料理を作り出す包丁が、人を殺傷するための道具になり得るように。
AIもその内の1つだが、こと創作に至っては創作者としての自負が試される。
独力で戦っている創作者が良い気分をしないのは当然の事。
その観点からももっと強く描かれていれば良かった。
それほどAIに対する風当たりは強い。
文字数を考えるときついと思うが……。
今後、ますますのAIの発展と共に、物書きならぬ、プロンプト書きが増える事だろう。
どうか物書きならAIに本文を書かせて世に送り出すのだけは止めて欲しいところである。
AIとは良い距離感で付き合っていけたらと思わずにはいられない。
用法・用量を守ってお使いくださいと言う奴である。
本作のような事はAI使用に限らず誰にでも考えられるので非常に身につまされる話だ。