概要
婚約者アルトを殺された令嬢ルシアは、その死の真相を追うことになる。
遺されたのは、アルトに絶対の忠誠を捧げていた最強の火竜カグツチ。
彼は主人を失っても怒らない。
憎まない。
復讐すら望まない。
――竜種とは、そういう生き物なのだという。
しかしルシアは、次第に気づいていく。
「竜種は痛みを感じない」
「主人に従うのが本能」
「貴族に仕えるための道具」
人間が当然のように信じてきた竜種の常識は、どこかおかしい。
そしてアルトの死にもまた、竜種をめぐる何かが隠されている。
婚約者は、なぜ殺されたのか。
竜種とは、本当はどんな生き物なのか。
そしてアルトだけを見ていたはずのカグツチは、なぜ今、ルシアのそばを離れようとしないのか。
「――ルシア。君は
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!圧巻のダークファンタジー!
ぜひ幕間まで堪能し尽くして欲しい、世界観が魅力的な作品です!
多くのキャラクターの生き様がひとつの大きな奔流となってカタルシスを運んでくれます。
章によって雰囲気が変わって来るのも魅力的です。衝撃的な幕開けから、静謐で重厚な人間ドラマ、軽快さの挟まる爽快感ある後半戦。
そしてなんと言ってもラストのカタルシス!
そこまで秘されていたものが一挙に押し寄せ、感情を掻っ攫われました。
完成された、非常に広大で壮大な物語です。
長い旅路ではありますが、作者様の筆力でとても読みやすく、言葉選びや比喩表現のセンスも抜群で、酔いしれながら読み進めることができます。
しかしそれだけではありません。…続きを読む - ★★★ Excellent!!!繊細かつ大胆な設定と、タイトル回収が楽しみになる導入!
衝撃的なプロローグがまず強烈でした。
“終幕”と呼ばれる惨劇を竜の視点から描き切ることで、読者の心を一気に物語へ引き込んでいます。
処刑場の血の匂い、群衆のざわめき、原型もなく転がる「大切な人間」という残酷な情景は、導入として忘れがたい印象を残します。
そして最後に放たれる「――ルシア。君は、オレの臓器(いかり)だ」という不可解な言葉が、伏線としての強いフックになっているなと感じながら読み進めました。
本編では、貴族遊戯ドラグデュエルや竜継の儀といった制度・世界観が丁寧に提示されることが印象的でした。それが決して、固い設定説明に終わらないところは、やはり筆の力と言えるのでしょう。
ル…続きを読む - ★★ Very Good!!繊細で気品を感じるファンタジー
ファンタジーですが、こういうのを「悪役令嬢もの」というのでしょうか? その辺り、詳しくないからよく分かりませんが、今作は読み手をルシアに感情移入させるための導入が順序を踏んで書かれており、その構成にまず感心しました。
また簡潔でありながら、繊細でかつ気品を感じる文章もとても優れています。特に第10話のラストには息を呑みました。あえて迂遠に表現することが、これ以上ない信条描写として効果をあげていました。
設定は少し複雑ではあるものの、読んでいれば自然に理解できるように、徐々に世界観を描写しているため、分かりにくいとは感じませんでした。
続きを読みたくなるような魅力が、冒頭から感じられる作…続きを読む