僕の知らない未来を、彼らだけは覚えていた。

時行監理局で働く僕のもとに、中学時代を共にした二人が現れた。
彼らの目的は、亡き友・俊健の「最期の真実」を確かめ、その魂を救うための跳躍(タイムリープ)の申請。

未来改変は禁止された世界で、彼らが帰還後に持ち帰ろうとしたものとは何だったのか。

作者さまは紹介文で、次のように語られています。

>彼らは僕の平穏な日々をそっと裏返し、
>世界の見え方を変えていく。

>誰にも気づかれない場所で、
>動き始める未来がある——そんな物語。

どのように「裏返される」のか。どんな「未来」が姿を見せるのか。

読後に冒頭を読み返すと、見事に世界が反転し、ある未来が動き出す音が聞こえた気がしました。

誰でも跳躍を申請できる、そんな未来のタイムリープの形態も一捻りあってワクワクし、未来都市の空気感にも余韻が静かに残る作品でした。

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