感情が欠落した人の心理を巧みな筆致で描く名作!

 ダークミステリーよりも「サスペンスホラー」と呼びたくなるような作品ですね。

 感情の欠落した「僕」の一人称で進みます。
 欠落したドライな感情を、丁寧に一文ずつ書き連ねていき、結果として「怪物」と思わせるような〝凄み〟を感じさせます。
 論理(ロジック)だけで進めていくところに現実味(リアリティ)を感じます。

 このような〝凄み〟を描いた小説は、読み手に多くの示唆を与えます。

 ぜひご一読して、「怪物」の心理や、最後の一文から「怖さ」を感じていただきたいですね。

 同氏の作品の中では群を抜いた小説であり、おそらくターニングポイントとなる話でしょう。
 これからの飛躍を感じずにはおれません。

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