赤い手は、君だけを

死んだ幼なじみ。
うごめく影と赤い手。
『あの日の約束』はまだ終わっていない。
気づいた時にはもう遅い。

幼い頃、最愛の幼なじみ・ナナを事故で失った遠野アキハ。
その日から、赤い“手”にまつわる不可解な現象が彼の周囲で続いていた。
アキハは誰とも深く関わらず生きようとするが、同級生の春川ナオキ、教育実習生の夏目カオリとの出会いが、止まっていたアキハの時計をゆっくりと動かしていく。

それでもナナの影は薄れない。
守られているのか、連れて行かれようとしているのか。

「大きくなったら、結婚しようね」

幼い約束が人生を侵食していく。