スゲえなあ、ここまで、短編で、書き切るとは、特殊な才能なのか?それとも、何かの、詛われた「蔵」の祟りなのか?この私には、とてもとても判断出来ません。ああ、「小説家 ライバル多し 夏の雨」ってか。この私に、座布団、一枚下さいね。日の当たらないこの私の作品も、読んで下さいね。この作品は、勿論としても……。
何の曰くも禁忌もない。屋敷の中に在る蔵の中には一体 ナニ が潜むのか。空恐ろしき想像は 貌 を結び、恰も創造の 異形 のように。心の彼岸と此岸を分ける、その境界にある蔵の扉は固く堅く閉ざされている。開けずに置けば安寧と、何一つ変わらぬ見慣れた日々が。想像の域を保っていれば怖い事など何もない。 開けたくはない、でも。 「開けるな。」その一言で、呼び戻される。