第19話:月守神社の二人、そして未来へ

 満月の夜。コヨミはついに人型に戻った。


「……フン。これであのモフモフした屈辱から解放された」


「お帰りなさい、コヨミ様」


 ハルカは嬉しそうに微笑んだ。


 コヨミは、少し照れたように顔を逸らしながら、ハルカの頭を優しく撫でた。


「ハルカ。お前の霊力は、私の予想以上に成長している。また、厄介な怪異が寄ってくるだろう」


「その時は、またコヨミ様が助けてくださいますよね?」


「当然だ。私はお前の神使なのだから」


 コヨミの瞳は、以前よりも少しだけ、優しさが滲んでいた。彼の言葉には、神使としての誇りと、ハルカへの深い信頼が込められていた。


 月守神社には、平和が戻った。しかし、現代にはびこるあやかしと怪異の問題は、尽きることがない。


 ハルカと、不機嫌で甘い狐の神使コヨミ様の「あやかし探偵」の仕事は、これからも続いていくだろう。


 二人は満月を見上げながら、次の事件に備え、静かに夜の訪れを待っていた。


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『〜神社のバイト巫女は、あやかし探偵をはじめました〜狐の神使サマは不機嫌だけど甘い。』 睦月椋 @seiji_mutsuki

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