一歩踏み出す勇気。心の成長の物語。

 ほのぼのヒューマンドラマがお得意の幸まるさんが書いた「ふんどし小説」です。
 よいお話でした。祐里さんのふんどし企画の小説を読んでいると、同じ相撲とまわしでも、それぞれずいぶん趣が違いますね。

 本作は、身体が大きくて気の優しい雄太が、幼馴染の初美の勧めでちびっこ相撲の地方大会に臨むお話です。雄太は父親がDV夫だった影響で、自分がそうならないよう、いじめられても大人しくしていますが、一度だけ雄太に助けられたことのある初美は、実は雄太がとても強いことを知っており、歯がゆく思っていました。
 それで、初美は、ちびっこ相撲出場を雄太に勧めますが。。

 一歩踏み出す勇気が持てなかった雄太が、実際にまわしを締めることで、「すっ」と心が整って、迷いが消えるシーンがよかったです。

 心の成長の物語、とても良い作品でした。
 お勧めです。

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