本当に強い人は、その持つ力との向き合い方に真剣になる

武道を齧ったことがある人ならば、その「闘う技術」という力と向き合ったことがあると思います(向き合ったことがないのに齧った人がいるとしたら、その人は武道をやっているのではなくただの乱暴を振るっているだけです)。
そんな「力」は、強いがゆえに、その扱い方を正しく見極め、それを我欲に負けて振るわぬように律する、成熟した精神性を持つことが求められます。
このお話は、そんな「力」を持った優しい子のお話です。

小学生にして、早くも己の持つ「力」と向き合い、そしてそれを恐れるようになっているというのが、なんともいじらしいものを感じます。
このくらいのわんぱくなガキンチョ男児なら、有り余るエネルギーのままにその力を乱雑に振るい、誰かれ構わず傷つけてしまうことも多いというのに、「恐れ、躊躇う」という精神を持っているというだけでも立派なものです。
しかし、その力を過度に恐れるあまり、何事にも消極的で、力を持つことが大きな重荷になってしまっているというのも実にかわいそうです。
これは、誰かがその「力」を肯定し、正しく向き合わせてあげる必要があります。
勿論、向き合った後のことは当人次第。
でも、そのきっかけは誰が与えても良いし、些細なものでもよいのです。

これは、そんな「力」と向き合うための勇気を、とあるきっかけによって得られるお話です。
力との向き合い方、そしてその精神性は、彼をどう変えていくのか。
是非、その目でお確かめください。

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