仮想空間で再会した二人。賑やかな掛け合い。その中に潜む黒い影……。

メタバース“虹の彼方”の中に存在するバーチャルエメラルドシティにやって来たグリ。
そこで高校時代の親友ヴェストと待ち合わせ、カフェに立ち寄り、二人は会話に花を咲かせる――。

グリとヴェスト、二人の和気あいあいとしたやり取りに心和む本作ですが、ときおり穏やかではない黒い影がチラつく気配を感じます。
グリが”虹の彼方“にやって来た理由、そしてメタという言葉の意味。
読み返す度に影が大きくなり、穏やかな世界観が揺らいでいくような気が……。

しかし、そんな不安をグリの張り手が吹き飛ばしてくれました。
現実世界であろうと仮想空間であろうと、見事な掛け合いを生み出せるような親友がいる場所こそ、喜びに溢れ、生きる実感を得られるというもの……賑やかな二人を見ていると、そんなふうに思えてなりません!

楽しくも色々と考えさせられる内容、素晴らしい短編です!
是非ともご一読下さい!

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