たとえ昨日に戻れるとしても……。

呪文を唱えるだけで、昨日に戻れることができたら……これは是非とも手にしたい力でありますが、本作の主人公・秋津燐帆にとっては切実な問題をはらんでおります。
なにせ六年間好きだった茜ちゃんという女の子に、頭が良くて手も足も早いモテ男子・栄口が告ってしまい、二人は恋人同士になるのだから。
燐帆は謎の少年を助けたことにより得た呪文で昨日に戻り、告白を阻止しようとするのですが……なぜかまったく上手くいかない!
この失敗の繰り返し場面、燐帆君には申しわけないですが、すごく面白いです!
もはや呪われているのではないか!?というほどに、憎き栄口の告白は成就します。
そして失敗ばかりが続き、もういい加減に明日に進もうとするのですが……。
もしも明日に向かおうとして、それができなくなってしまったら――これはもう地獄ですね。

不可解な呪文の言葉、そして幸せなのか不幸なのか分からない結末、主人公の名前にいたるまで、素晴らしくも恐ろしい仕掛けの数々が待っています!
是非とも体験してください!

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