神の砂時計
天使猫茶/もぐてぃあす
神の砂時計
あるとき、神さまが天使たちを集めてこう言った。
「この砂時計の管理をお前たちに任せる。この砂時計は人間たちの時間そのものだ。もしも人間たちが間違ったことをしてしまったら、この砂時計をひっくり返して時を戻して、間違ったところからまたやり直させなさい」
そう言って神さまが持ってきたのは、大きな大きな砂時計だった。
天使たちは神さまの言い付けをしっかりと守って人の世界を見守り、そして人間たちが大きな間違いをしてしまったときにはこの砂時計をひっくり返して時を戻していた。
だが何回時を戻しても、人間たちはさっぱり反省しないのかすぐにまた間違いをしてしまう。
天使たちはそんな人間たちを辛抱強く見守っていたが、あるとき一人の天使が癇癪を起こした。
「ああもう! あいつらまた大きな戦争を起こした! いったいいつになったら本当に反省するんだ!」
そう叫んで砂時計を蹴り上げる。
するとガシャーンと大きな音とともに、砂時計の下部分は粉々に壊れてしまった。
これには天使たちも大慌て。急いで修理しようとするが、いくら天使でも砕けたガラスを全て集めることは出来なかった。
それ以来、時は一つの方向にしか流れなくなったという話である。
神の砂時計 天使猫茶/もぐてぃあす @ACT1055
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます