駆け込み、訴えェェッ申す！

あゝ、嗚呼ッ！

あゝ！

嗚呼ッ！

なんということでしょうか！

わたしの心臓が

わたしの内臓が

わたしの澄んだ青きこころが

穢されていく、犯されていく！

だぁーれ、だぁれ？

わたしを穢すのは、だぁれ？

冷たく渦巻いている

クロイ

くろい

黒い

粘着質の闇で満たされたヘドロに

囲われて

呑まれて

絆（ほだ）されて

もう息もできぬ！

今や

呼吸さえも忘れて！

今や

地層の如く積み重なった永年の欲に塗（まみ）れて！

あゝ！

嗚呼ッ！

純水の如く澄み渡り

美しかった青き惑星は何処（いずこ）に？

あゝ！

嗚呼ッ！

ゆらぁーんと

ぐらぁーんと

揺らいでおります

どす黒く淀みきった水面（みなも）で

『ひかり』は孤独に

孤高に

暗雲を纏い揺蕩っております！

黒い

昏い

闇に純真を捧げてしまったほしが

青き惑星が

喉が真っ二つに張り裂けても構わず

叫んでおります

慟哭しております！

あゝ！

嗚呼ッ！

このわたしに住まう者よ

ひとのこたちよ

ほしのこたちよ

わたしの声は届いておりますか？

聞こえておりますか？

このせかいは重くなりすぎた

それはひとの所為か

はたまた自然の摂理か？

その問いを答える気力など

わたしには疾（と）うにありませぬ

わたしはもう、此処を動けませぬ

だから、どうか！

どうか！

わたしが醜い化物へと変貌してしまう前に

くらい

クライ

昏いヘドロに壊されてしまう前に

『ひかり』を！

わたしをこの無限地獄から

『ひかり』の鎧を纏い

『ひかり』の福音で

目醒めさせてくだされ！