君も葉っぱのある木になれるよ――教師と少年の忘れられない三週間
- ★★★ Excellent!!!
夏休み前の忙しい時期に、三週間だけ体験入学してきた少年。
教師は思う。
――めんどくさいな。
ここで読者は、彼女がドラマに出てくるような熱血教師ではないことに気づきます。
冷めた目で少年を見ていた教師が変わったのは、漢字のテストの時間でした。
固く握られたまま動かない鉛筆……ふたつの言語が干渉しあい、少年を苦しめていたのです。
教師は妙案を思いつき、少年が漢字を楽しく覚えられるように導きますが、やがてそれが教頭の耳に入り……。
読んでいる途中で、なんとももどかしい気持ちになりますが、心温まるラストが待ち受けています。
短いお話なので、ぜひ読んでみてください!
じんわりと心に沁みる短編小説です。