第5話 がんばれ、私たちの先祖たち
気がつくと、私はきらめく卵形のポッドのなかに入っていた。私は故郷の星へと向かっていくのがわかった。どうやら最高のポイントを獲得したらしい。罪の償いが終わり、救出ポッドが転送されたらしい。
やれやれ、やっと自分の故郷の星に帰れるのだと思うとわくわくしてくる。聖書にも大洪水がおきたと記されているが、地球の未来もおなじ惨事がおきて、生き残った人類も地球もすべてが霊的な存在に進化した。私たちの世界では悪い思いを抱くことだけが罪だから、その罪を犯すと過去の地球に流刑されるというわけだ。
毒には毒をもって制すというわけで、悪想念にまみれた地球で魂をみがくというのが法律になっている。
未来の技術で物質化していたが、実際は食事などしなくても地球では生きていける。だけど、やっぱり故郷が一番だ。
ああ、オーロラがたなびいている。その向こう側に私たちの時代につうじる道がある。
地球人類の未来は決して不幸なものじゃない。愛にあふれ、喜びに満ちた世界なんだ。
さようなら、過去の人類たち。
がんばれ、私たちの先祖たち。
(fin)
流刑地の超人 星谷光洋 @iroha13
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