第4章 勝負は時の運

「それでは1位から10位までのチームを一気にポイントと一緒に表示するよ。ちなみにチームは配布した札の通り。それでは行くよ。」

自分のチームはFチーム。何位だろう。


1位 19PT Gチーム

2位 17PT Kチーム

3位 16PT Lチーム

4位 16PT Bチーム

まだFチームの名前はない。

解答欄のずれがどこまで響くか。

5位 15PT Cチーム

6位 15PT Aチーム

7位 14PT Eチーム

8位 14PT Hチーム

・・・自分たちが何ポイントかはわからないが、おそらく12か13ポイントだろう。

ここで主催者が言った。

「9位から11位までは同率13PT。Jチーム、Fチーム、Iチームだ。ということで残りのDチームとMチームはここで脱落だよ。」

「赤を引いたら勝ち抜け、青を引いたらここで敗退だよ。」

なるほど、運ゲー、か。

「それではここについた順番でJ,F,Iの順番で引いてもらうよ。」

最初に引くのはJチーム。

Jチームが引いたのは・・・赤。

会場内からは拍手が湧き起こる。

次に引くのは・・・僕だ。

中に入っているボールは残り2つ。

赤を引いたら勝ち、青を引いたら負け。

箱の中に手を入れる。

ボールをきめて、取り出す。

ただこれだけなのに。


頭の中で考えた。

結局、勝ち上がれるかどうかは運なんだ。

運・・・なんだ。

勝っても運。負けても運。

ここで戸惑っても仕方がない。

運なんだから。


・・・こう思いたかった。

それでもまだ手が震えている。

ただボールを掴んだ瞬間、手の震えが止まった。

深呼吸をする。

箱からボールを引き出す。

そのボールが赤色のボールであることを信じて。


〜〜〜怜目線〜〜〜

綾瀬を誘ったのは自分。

ミスをしたのも自分。

このくじは私が引くべきだった。

今あそこに立っているのが綾瀬じゃなくて私だったらよかったのに。

今からでもあそこに行って変わりたい。

けど、勇気がない。

綾瀬の手が震えている。

私が誘ってただ振り回しただけなのに。

なぜ綾瀬が緊張しているのか。

私にはわからない。

結局私にできるのはただ祈ることのみ。

招待状を取り出した。

そして祈った。

綾瀬が赤色のボールが出ることを。


そして出たボールは赤


・・・ではなく青だった。

主催者が宣言する。

「Fチーム、脱落!!」

この言葉を聞いても実感が持てなかった。

ちゃんと実力を発揮できていれば17問くらい普通に取れた。

・・・全部私のせいだ。


〜〜〜


引いたボールは・・・青。

ここで脱落。

宮川さんに言えた言葉はたった一言だけだった。

「ごめん」

これしか言えなかった。

宮川さんは悔しがっているのかわからないが、何も言わず俯いていた。

そして宮川さんがこんな言葉をポロッと漏らした。

「・・・全部、自分のせいなのに。」

なんと返せば良いのかわからなかった。

けれども宮川さんのせいではない。

「・・・自分だけだったら、参加しようと思わなかった。それに、13問も取れなかった。あと、主催者が言っていた言葉、覚えてる?」

相変わらず俯いたままだ。

「うん、覚えてるよ。方法は1つとは限らない、でしょ。」

「もう一つ言っていたんだけど、本当に覚えてない?『チャンスは1度とは限らない』」

「・・・それってもしかして」

「多分そうだと思う。けど、今は残っているチームの応援をしよう」


関東謎解き企画・KANTO QUESTはまだ始まったばかりだ。

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KANTO QUEST 野島陽葵 @shidaken

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