本作は埋没型ウェアラブル端末「Play fun!12」によって、バーチャル世界への没入が可能となった、近未来の日本を描くsci-fi小説である。
手脚に障がいをもつ青年の鬱屈した内面と、ユビキタスが普及した騒々しい社会を丁寧に描写することで、この作品は充分な説得力とリアリティを持って読む者を魅了する。
読み始めてしばらくの間は句読点の用法に多少の違和感を抱きもしたが、読み進めればそんな瑣末なことは気にならなくなるだろう。説明などでクドくなりながちなジャンルだが、作者の巧みな表現力ですんなりとその世界観を受け入れられる。
間違いなく時間を割いてでも読む価値のあるサイエンスフィクションだ。
仮想現実の発達した世界。拡張現実に身を置く人間が、ある日中毒症状を起こしてしまう事件が発生する……。ある少年は、その事件に向き合うこととなった――。
VRMMOというジャンル、仮想現実から戻れなくなるという設定。
ともすれば陳腐になりがちな設定をうまく料理し、エンターテイメントとして高い水準まで持って行った作品。
「ならでは」といった演出が心をくすぐり、活かした単語に素敵なルビが「男の子」を心地よく刺激してくれる。
ああ、良い時間だったけれど、危うくアウターホリックに陥るところだった。寸でのところで助けてもらえたね。イジェクター《かれ》に感謝の意を伝えたいんだけれどここで構わないのかな?
自分は今までSFに関してジョージ・オーウェルやフィリップ・K・ディックなどの海外作家から、伊藤計劃や冲方丁などの日本作家まで幅広く読んできました。そして、本作品はそんな作家の作品群と真っ向から勝負できるレベルだと、胸を張っておススメしたい。
導入の文字化けによる演出は、読者にSFっぽさを味合わせると共に、作品の世界観を短期間で伝えています。これで惹かれない訳がない。
また、その後に続く主人公の心情の伝え方がこれまたすごい。情景描写や緻密な文章構成を巧みに操り、主人公が外界から隔絶された世界で過ごしてる孤独や寂しさを彼の口から語らせることなく読者に伝えています。
また、知識に裏打ちされたSFらしい設定や単語もこの作品の魅力をより一層に引き立てています。
そして、これだけに止まらないのがこの作品のすごさです。
主人公の唯一にして、絶対だったおじいちゃんという存在の思わぬ秘密。これによって、足元が崩れ落ちるような不安と同時に、まだ見ぬ新たな世界への冒険心が発生し、物語の先を読みたいと強く思わせるに至っています。
ここまで語ってまだ冒頭って正直信じられない……。
しかもその後現れる、ミステリアスな雰囲気の女性『コーディ』や、アウターワールドというゲーム世界など、魅力的な設定が湯水のように出てくるんです。
もう、続きが気になってしょうがないでしょう?
少なくとも自分はPrologueの時点でこの作者のファンになってしまいました。書籍化したら……いやする以外にないでしょうけれど……自分は確実に買います!
最初のエピソードからガツンとサイバーパンクらしさを叩きつけてくれます。
まずはここで安心してサイバーパンクされてください。VRMMOモノではなくサイバーパンクです、自分の知る限り。
以降は章毎にこの世界設定がもたらす環境へと文字を通してアクセスしていただき、頻出する<<アウターワールド>>の語に愉しみながら読み進めましょう。
VRやARの技術によって現実が従来の姿よりも拡張されるときに発生する可能性がきっちり描かれているので、きっとこの世界はまだまだ伸びることができます。
実は3月上旬からずっと気になってたんですがようやく通して読めました。
美味しくいただきました。
読み始めてからは二日程度ですのでまだ死んでないと思います。
理想であり空想上物語世界構築され
「自らの分身主人公が活躍する」
現実世界で「障がい者」
仮想現実で「神の存在」
繋がり誘われた先に待つ真実?
「創造者」作者だけが知る未来。
最後に待つ「世界の真実」は?
※蛇足、下記が主人公の闇(笑)
急性小児片麻痺とは
急性小児片麻痺は主に6歳以前の幼児が体の片側痙攣、
麻痺をおこす病気です。風邪のような症状急な発熱に
体の片側の痙攣が数時間続き麻痺が起ります。
麻痺も片側でおこりますが、なんの前触れもなく突然
麻痺がおこるケースもあります。
原因不明とされていますが、突然麻痺に陥った場合は
脳血管障害が原因であることが多い病気です。
急性小児片麻痺の症状
急性小児片麻痺は風邪のような症状があり急な発熱から
始まります。そして体の片側にのみ痙攣がおこります。
両側で起こって左右差があるという場合もあります。
痙攣が続き、続いて麻痺がおこります。痙攣が起こらず、
麻痺が起こることもあります。
この体の片側の麻痺で急性小児片麻痺とされます。
その後しばらくたってからてんかん発作が起こることも
あります。
痙攣が起ったときには救急車を呼ぶことが第一ですが、
前触れのない突然の片麻痺の場合は気づいた時点で
小児科を受診する必要があります。
身体の片側の筋力が著しく低下することが片麻痺であり、
半身に影響があります。この症状は回復することも
ありますがおよそ8割が回復せず、継続的なリハビリが
必要になります。