この作者、すでにプロレベル!!

自分は今までSFに関してジョージ・オーウェルやフィリップ・K・ディックなどの海外作家から、伊藤計劃や冲方丁などの日本作家まで幅広く読んできました。そして、本作品はそんな作家の作品群と真っ向から勝負できるレベルだと、胸を張っておススメしたい。
導入の文字化けによる演出は、読者にSFっぽさを味合わせると共に、作品の世界観を短期間で伝えています。これで惹かれない訳がない。
また、その後に続く主人公の心情の伝え方がこれまたすごい。情景描写や緻密な文章構成を巧みに操り、主人公が外界から隔絶された世界で過ごしてる孤独や寂しさを彼の口から語らせることなく読者に伝えています。
また、知識に裏打ちされたSFらしい設定や単語もこの作品の魅力をより一層に引き立てています。
そして、これだけに止まらないのがこの作品のすごさです。
主人公の唯一にして、絶対だったおじいちゃんという存在の思わぬ秘密。これによって、足元が崩れ落ちるような不安と同時に、まだ見ぬ新たな世界への冒険心が発生し、物語の先を読みたいと強く思わせるに至っています。
ここまで語ってまだ冒頭って正直信じられない……。
しかもその後現れる、ミステリアスな雰囲気の女性『コーディ』や、アウターワールドというゲーム世界など、魅力的な設定が湯水のように出てくるんです。
もう、続きが気になってしょうがないでしょう?
少なくとも自分はPrologueの時点でこの作者のファンになってしまいました。書籍化したら……いやする以外にないでしょうけれど……自分は確実に買います!