身構えず読める王道デフォルメ探偵モノ!おしゃべり女子高生助手もあるよ!

 掴みどころのない探偵・ランサが、タダで探偵事務所を借りる代わりに、貸主の娘にして自称探偵助手の女子高生・ユリナの持ち込む謎を解決する。事件現場で「またお前らか」と呆れるのは、とある事件がキッカケで片腕と情熱を失った元刑事さん。
 王道を往く探偵モノを今風にデフォルメしたようなこのお話を、第1の事件時点では「ユリナちゃんはかわいいなあ」程度に思いながら読んでおりました。
 おっ、と思ったのは第2の事件です。中華料理屋でチャーハンを食べながら、客達の会話を聞いただけで事件をスパッと解決。これはまさに安楽椅子探偵ならぬ、中華料理屋の椅子探偵です。綺麗にまとまった短編で、探偵ランサの独特なキャラ、そしてその探偵らしいクレバーさを、すっきり味わうことができたと思います。
 ミステリーの名を冠していますが、必要以上に身構えず手軽に味わえる一品です。現在読んだのはここまでですが、機を見て続きも読ませていただこうと思います。

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