邦画ホラーのような暗い香り

 病院といえば怪談の舞台として鉄板ですし、この作品も例に漏れず病院と幽霊にまつわる話なのですが。

 この話の良かった点は、病院という舞台が持つ特有の臭いがふわりと漂ってくるところです。
 激務によるストレス、閉塞的で薄暗い雰囲気、どこかおかしくなっていく同僚たち……こういったものが、邦画ホラーめいた薄暗い香りを周囲に立ち込めさせ、お話に説得力をもたらしていると感じました。

 短編怪談としてオススメの一作です。

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