掌篇ながら、強烈なインパクト。最後の忠告がストンと府に落ちます。お婆さんの講釈も説得力を持ちます。やっぱり健康維持には手を抜かぬようにしよう。私の表ルールは短編にはMAX2つですが、裏ルールに従って星3つ付けました。また、この作者の「眼科医 新見三太郎のカルテ」はお薦めです。
……条件付きだけどね。
ある病院では、「夜勤に金縛りにあったら報告するように」というルールがあった。ストレス起因で金縛りに遭ったことのある作者様は、「変なルール」という程度で、さほど気にしていなかったのだが……。組織には昔から続いているルールがあって、一見、変だと思うものにも、しっかり理由があります。それは「日本」という大きな組織にも言えることで、昔から続いている「ある音の共通性」にも、きっと理由があるんだと思います。怖いのは幽霊だけではありません。。
恐ろしいのは死んだ人の霊ばかりではない。むしろ、もっと、厄介なのは…。
金縛りは生理現象? 本当に? 頭が起きているのに体が寝ているだけ? 本当に? もしかしたらその中に、ホンモノが混ざっているかもしれない。金縛りにあったら報告するという奇妙なルール。でもそれを守らないと、あなたの身に恐ろしい出来事が……。
私も金縛り?にあったことがあります。ですが、穂波さんの金縛りとは少し違って目は閉じたままで声を発することも体を動かすこともできませんでした。穂波さんのカクヨムを読んでて、やっぱり私のは金縛りって呼ばないのかな?と思いました。今でも謎です。ですが、1人で抱え込まずに誰かに相談することは大事だなって読んでいて思いました。
病院といえば怪談の舞台として鉄板ですし、この作品も例に漏れず病院と幽霊にまつわる話なのですが。 この話の良かった点は、病院という舞台が持つ特有の臭いがふわりと漂ってくるところです。 激務によるストレス、閉塞的で薄暗い雰囲気、どこかおかしくなっていく同僚たち……こういったものが、邦画ホラーめいた薄暗い香りを周囲に立ち込めさせ、お話に説得力をもたらしていると感じました。 短編怪談としてオススメの一作です。
とても大事だと思います。一人で抱え込むことはせず、ちゃんと人に話すこと。私はそれが出来ず沢山苦しみました。おばけがいる・いないの次元ではなく、危険を感じる事態があったのだから対処する。とても大事な事だと思います。
組織のルールは不合理に見えても、実は……真実を知るよりも、正気で健康でいたいですね。
金縛りに関する、不条理な出来事の数々。どのような組織にも、意味のわからない不文律や暗黙のルール、裏ルールなどがありますが、このA病院に関しては「???」と首をかしげたくなるようなもの。それを無視した人と素直に従った人に、なぜこれほどの差異が出てしまうのか。そして、「病気の人間が一番見たくないもの」と金縛りとの、つながりそうではっきりしない関係性とは、いったい何なのか。結末は必ずしも疑問を氷解させてはくれませんが、それがいっそう実体験のリアルさを感じさせます。