アイドルという名のエゴイスト達が織り成す灼熱バトルロイヤル

トップアイドルを目指し、そして『アリス』を目指して戦う女の子達。
可愛らしいアイドル達が歌と踊りと甘い魔法で戦うのかな~……などと思っていたら、この物語の熱量に火傷すること間違いナシです。
それぞれの参加者達のバックボーン、譲れない想い、醜く真っ直ぐでギラついた感情。それらを各々の得物に込めて、激しくぶつかり合う姿は個人的にとても大好きな内容でした。
特に5章が好きです。まさに意地と意地とのせめぎ合いといった掛け合いで、「本当にこれアイドルをテーマにした作品だよね……?」と一瞬疑ってしまいました。
感情も醜さも全部さらけ出して戦う彼女達の姿は、まさに『燃え』作品にふさわしい熱さでした。アイドルって凄い。

ただこれだけの内容を7章に詰め込んでしまったのは、むしろ読みにくさの方が勝ってしまっていたと思います。あらすじにキャラ紹介を載せたり、キャッチコピーがやや地味なのも、入り口を狭めてしまっている理由かなと感じました。

とは言えこの不思議で熱くて輝く国に入り込めば、きっと彼女達の戦う姿に見惚れることと思います。もっと評価されても良い作品だと思います。