第四百八話 『こんど食べに来たら?』

「さぁてなにつくろっかなー」

サラが言った。


===

「何が作れるの?」

双子の兄のサクラダがサラに聞いた。

話によると、サラはおにいちゃんのためによく料理を作っているとのことらしい。


「なんでもつくれるよ!って違うのか、ゲームで何がつくれるかってことかぁ!私は何が作れるの?」

サラが僕に聞く。

リアル世界ではなんでも作れるらしかった。

彼女がなんでも作れることをサクラダは知ってるはずなのでそこに気がついたのだろう。


「リアルだとなんでも作れるの?すごい!」

僕がサラに聞く。

器用な美少女というイメージはもちろんあるが、なんでも作れるのはすごかった。


「こんど食べに来たら?」

サクラダが僕に言う。

サクラダにとっては毎日のことで当たり前のことだろう。だけど僕にとっては女の子の家にごはんを食べに行くということだから緊張する。


「だめです!だめです!それは禁止です!女の子のお家に男の子が行くなんて!」

奈緒子が猛抗議する。

サクラダが積極的なせいで普段見れない奈緒子の姿が見える。


「僕もいるから大丈夫だと思うけど!」

サクラダがつぶやく。

そう兄もいるのなら特になにも起きないだろう。


「奈緒子ちゃんもいっしょにおいでよ!ココで練習して、二人でリアルでもつくろ!」

サラがにっこり笑って奈緒子に言った。

サラは料理を振る舞うことについてはなんの違和感もなく受け入れたようだった。


「それはいいですね!サラちゃんのお家遊びに行ってみたい!」

奈緒子のテンションが上がる。

みんなでリアルでごはんを食べるには特に問題ないみたいだった。


「億万長者の家か・・・楽しみですね」

僕がつぶやく。

面白いゲームを作って億万長者になり豪邸に暮らす。

男の夢がそこにはつまっている。


「いや、たいしたことはないけどね」

サクラダは謙遜した。

高校生で3桁億円で会社を売却した天才の謙遜だった。


「で、私は何がつくれるんだっけ?ジュン」

サラが僕に聞いた。

話が脱線していたのだった。


「そうか、前は『料理人見習い - クックアシスタント』で料理のおばちゃんを手伝っていただけだからわからないのか」

僕は当時の事を思い出していた。


「『料理人見習い - クックアシスタント』あれば普通の料理はできるんじゃない?唐揚げとか親子丼とか?」

サクラダが聞く。

家庭料理のスタンダードみたいなものであればできるような感じらしかった。


「そのへんを作ってたら新しいスキル覚えるのかな?」

サラが言った。

そうこのゲームは武器を使っているとスキルを覚えるシステム。新しく買った包丁を使っているうちに覚えるはずだ。


「そうだと思う」

僕が言う。


「おっけーおっけー!とりあえずスタンダードに唐揚げといきますか!」

サラがにっこり笑っていった。

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