第四百七話 『コンピュータ』
「さて、うちについたよ!みんないらっしゃい!」
サラが笑顔でで向かえた!
===
「ここがサラのお家か・・・一軒家か・・・いつも同じ家にいるのが当たり前だと思ってたけど、こういうふうに家を出て暮らしていく日があるかもしれないんだねぇ」
サラの兄、サクラダが言った。
妹が大人になって家を出ていく姿を想像しているようだった。
「確かにそういう日も来ちゃうかもなー」
サラが言う。
双子だとずっと一緒にいるイメージあるから、そういうことを考えてしまうのだろう。
「ずっと一緒にいるからなかなかそういうイメージがわかないよねぇ」
サクラダが言う。
双子の天才兄妹のサクラダとサラはそういう関係性のようだった。ふたりとも世間に轟く才能を持っている。
「たしかに!私もお兄ちゃんがどういう家に住むのか想像つかないから、お兄ちゃんの家にもこんど行ってみよう!」
サラが言う。
サラもそういうことができるようになってきた。
『ラスト・オンライン』を楽しめるようになっていた。
「たしかに、ゲームいっぱいあるよ!」
サクラダが言う。
この『ラスト・オンライン』には制作元であるアーカイブ社のゲームがプレイできるようになっていた。たぶんリアルの家にもたくさんあるのだろう。
「あ、僕もバンドマニア持ってます!」
僕はサクラダに言う。
そう、ぼくもゲームが好きなので、買って持っていた。
100万円近くする筐体の方だが。
「え?筐体の方?」
サクラダ聞く。
筐体が売っているのをもちろん知っているようだった。
「もちろんです!」
僕が答える。
「あれ100万円ぐらいするじゃん!僕も持ってるけど!」
サクラダが言う。
「もってるんですか!」
僕が言う。
「お兄ちゃんはありとあらゆるゲームが好きだからねぇ。なんか好きすぎてコンピュータ作っちゃうんだよ」
サラが言う。サクラダがゲームを作るだけではあきたらないということだろう。
「コンピュータ作っちゃうってなに?AIってこと?」
僕がサラに聞く。
「ああ、それそれ!将棋とか囲碁で人間に勝っちゃうの」
サラがさらっととんでもないことを言う。
「将棋や囲碁で人間に勝てるAI作れる人何人かしかいないんだよ・・・」
僕は言う。
そう、それだけゲームAIは難しい。
技術力も必要だし必要なPCの数も多い。
「そこでできるようになった技術をこのバーチャルウォーカーに転用しているんだよ!」
サクラダが答える。
ゲームAI技術を転用してこのヴァーチャルウォーカーを安定して動かしているということらしい。
「今まで筋電位でのコントローラーが精度がよくなったけどディープラーニングを使って、欠けている波形を保管したり、人による差を補完したりしているということですね」
僕が言う。
「そうそうそれ!」
サクラダが言う。
「さぁてなにつくろっかなー」
サラが言った。
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