第 三十話 盗賊退治①

ロキアスを出てから三日目の昼、四人の前方に煙をあげている馬車を発見した。

馬車は俺たちと変わらないほどの大きさで、車輪は壊されているようだ。


「クリス、ティファニア、ミク!生存者がいないか確認するぞ!この煙の上がり方なら襲われたのはつい先ほどなはずだ!」


「うん、わかったわ!」


「はい!」


「了解なのじゃ!」


セイは煙の上がる馬車に水魔法を唱えて火が燃え移らないように消火する。

幸い、火はそこまで広がらず消し止めることができた。


「どうだ?誰かいたか?」


「うん、一人だけだけど・・・それ以外は・・・。商人の馬車だったでしょう。戦闘向きの服じゃない人が二人と、護衛の冒険者が三人死んでたわ。」


「その人はどうだ?」


「ケガはそこまで酷くなかったから治療はしたわ。話を聞いたところ、盗賊に襲われたようよ。クリスが張り切って、狩りの時間って言ってたわ。死体はミクさんには見せられなかったから私が土魔法を使って埋めておきました。」


「そうか・・・ティファニア、ありがとう。」


「いえ」


セイとティファニアは生き残りの冒険者の所に行き話を聞いたところ。

彼を襲ったのは森の狼と言うこの辺りとはかなり名のある盗賊らしく、所属人数は、100名以上、冒険者ギルドでも、依頼が出されており、ランクはその人数と危険度からBランクになっているようだ。


彼に生きていた馬を1頭渡し、最寄りの町へと戻ってもらい。

四人はここまま放置するのは危険だと判断をし、盗賊を討伐することにした。


「ティファニアは森で迷うからクリスとペアを組んで盗賊の拠点を探すぞ。ミクさんは俺と一緒にだ。見つけたら念話で連絡をしてくれ。」


「わかったのじゃ」


四人は二手に別れ捜索を開始した。



セイの装備は地球の自衛隊のような迷彩柄のローブを上に羽織って森の中を進んでいる。

武器は忍者刀に分類される、隠密刀千影を手に持っている。森の中や洞窟で戦闘をする場合、アジダカーハは振り回しづらいので、この忍者刀を使っている。

セイは剣ならほとんど全ての物を使うことが出来るので、戦闘にはそこまで問題ない。


ミクはいかにも初心者の武器として定番な短剣を持たせている。

装備はレザーアーマーにセイと同じ迷彩柄のローブ。


ミクの武器の短剣はセイのアイテムボックスに眠っていた、パラライズダガーで斬った相手を麻痺状態にする短剣で、セイがまだこの世界に来た頃に使っていた武器である。


それから二時間後クリスから念話が来て、盗賊の隠れ家を見つけたと言う連絡が入ったのであった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

白髪の英雄と拝火竜を封ぜし剣 ふぇんりる @mao1016

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ