第 二十九話 固有スキル 称号 

ロキアス王国をでて、四人は馬車で街道を走っていた。

この、世界は地球のように道を整えていないのでかなりでこぼこである。

なれていなければものの五分ほどでゲボるであろう。

セイは旅で馬車を使いなれており、現地組のクリスとティファニアも同様に、そして、セイと同じ地球出身のミクはどうやら酔いにくい体質らしく、元気なようだ。


酔うとかなりきついからな・・・慣れるまでは俺も苦労したもんだ。


そんなことを思いながら馬車を進めているとミクがセイの隣に座り、声をかけてきた。


「ねぇ、ヒジリくん、さっきマリンさんと話してた龍化ってなんなの?」


「ん?あぁ、あれか、まぁ、ゲームとか小説で言う固有スキルみたいなもんだ。自分自身の魔力半分を使用すると、発動するスキルだ。八人の英雄が持つ特殊な武器の能力って所だな。まぁ、龍化といっても見た目は龍人だな。戦闘スタイルは俺の場合は近接格闘。魔法はほぼ使えなくなるな。ほとんどを無属性魔法、身体強化に魔力をまわすからな。」


「ま、ミクさんにはレアな称号があるからもしかしたら俺たちの誰かは倒せるようになるかも知れないな。」


「えっ、そうなの?」


「あぁ、ミクさんの持つ称号、キングオブテイマーは友好的な魔物、神獣、精霊と契約ができ、かつ契約したものの能力を1.5倍にする。自分自身は契約した者の位が高いほど自分自身の能力を強化するってところだな。昔の記録にはミクさんと同じ称号を持った人は国の騎士団に入れてもらい、貴族にまで、なったらしいが、知ってるのは国の上層部位だろうしな。俺も知ってたのは教会の本部の書庫で閲覧した時だしな。記録も三百年前位だったし。」


「へぇ、そんなに凄かったんだ。はぁ、私もこの称号があれば盗賊に捕まらず、奴隷にもならなかったのにな・・・」


「まぁ、異世界に来て、行動できただけ凄いと思う。普通なら発狂したり、死んだりしてしまうからな。」


「ねぇ、小説のようにステータスって見れないのかしら?」


「まぁ、あるっちゃあるが勝手に人のステータスを見るのはマナー違反だから取ってるのは大都市の門番やギルドの所属の人くらいだな。まぁ、俺も見れないことはないが昔、やらかしてからは人に使いたくないんだが、知りたいならするが、どうする?」


「うん、知りたいからしてくれない?」


「了解」


「【鑑定】指定、ヤエガシ ミク」


セイが鑑定をミクに発動させるとゲームのステータスのような半透明な物がセイの目の前に出現する。

セイはミクにもステータスが見えるようにする。


名前 ヤエガシ ミク


天職 1.魔物使い 2.精霊使い 3.神獣使い


称号 キングオブテイマー セイの奴隷 (異世界人)(イレギュラー)


どうやら()は普通なら見えないようだが竜帝器のお陰で見えるようだ。


「後衛職だな、まぁ予測通りだけど」


「うん、でも、私、運動神経良くなかったからこれで良かったと思うわ」


「いや、後衛職でも、攻撃避けたりするために前衛程ではないが近接も出来るようにしているからな?これから大森林に着くまで後衛職だからって魔物とかと契約ばっかじゃなく、ナイフくらい使えるようにするからな?まずは体力作りだけだな」


ミクはセイにこれから大森林に着くまで厳しい特訓を受けるのであった。

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