多感な少年少女たちの青春群像推理劇

 いやぁ面白かった。
 カクヨムコン5に投稿されていた「トリコロールの才媛」の前日譚としての三部作。その中では二番目にあたる本作ですが。三部作の中で一番読んでてしっくりと来ました。なんでしょうね、一作目は本格医療ミステリ、三作目はクイズバトル主体という所で、二作目の本作はアオハル成分が多かったというのが心に響いたのでしょうか。(つまりミステリよりキャラクターたちのやり取りのを方を楽しんでいる……って、それもなんか失礼な話な気もするな)

 なんにしても、とある少女が巻き起こす陰謀にひたすら翻弄されながらも、まっすぐにそしてひたむきに突き進んでいく、そんな少年少女たちが眩しい作品でございます。いやいいね、こういう王道モノ。ほんとスコ。

 内容はまぁ読んでもらって分かってもらうとして、とにかく脇を固める男性陣がさわやかでかっこいい。ラガーマン、熱血なんだけど思慮深く、また人情深い作中きっての人格者の風岡くん。いろいろと問題を抱えているけれど、ここぞという時には頼りになる切れ者影浦くん。いかにも真面目勉強一筋と思わせて、意外といろいろ見ていてまさしく慧眼としか言いようがないナイスフォローしてくれるいぶし銀な日比野くん。
 僕ぁ男ですがね、こいつらいいキャラしてんなと、読んでて楽しかったですよ。やっぱりね、色恋もいいですけどね、男の友情とか献身とかそういうのも大切ですよ。いや違った、大好きですよ。

 これ読んで、直近の「トリコロールの才媛」を読むと、また違った味わいになったんだろうなと、読む順番ミスったなと後悔するほどよかったです。

 三部作どれもなかなか読ませてくれるミステリですので、ミステリ好きな方にも、アオハル(しかもすがすがしい男が出てくるような奴)求めてる方にもおすすめでございます。まぁ、コンテストしばらくない空白期間ですし、ちょっと何か骨太な小説読みたいなと言う方は、読んでみると幸せになれるのではないでしょうか。文句なしにおすすめでございます。

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