惜しむらくは陶芸ネタの低い関心度。でも、読んで、絶対に損しないと思う。

陶芸の職業訓練校に入学してから卒業するまでの一年間、プラスアルファを描いた自叙伝的な作品です。
作者は、社会に出てから二度も軌道修正を図り、三度目の正直で得心できる人生を見付けたようです。
それだけ逞しいし、純真なんです。情熱的でもあるし、向う見ずな所も垣間見える。
そんな作者の書く文章は荒削り。でも、スラスラと読み易いです。平易っちゃ平易だけど、薄っぺらではない。寧ろ重厚。他人の人生を追体験するのだから、人生訓的に重宝する内容です。
また、職業訓練校のカリキュラムに従って物語が進む結果、体系だった陶芸の説明が施されており、あなたの雑学の層を確実に厚くするでしょう。
個人的には、本作品から得た知識を、自分の作品に織り込もうと画策してます。