魔法も、ドラゴンも大好物なので、一気に読み上げてしまいました。
いまどき珍しい、ゲド戦記に通じる、ものの名前がそのものを表すとした考えに基づく魔法を、発見して身につけていく過程まで描かれていて、こういう魔法のお話が読みたかった!と、胸をときめかせてしまいました。魔法を使えるようになって、文化が発展していく様子もすごく好みで、ワクワクでした。
そして、何より臆病な先生の深い愛情と、ヒロインの思い切りの良さや、先生への愛の強さに胸をうたれ、いろんなシーンで切ないやら、嬉しいやらの涙を流してしまいました。
これからの続きがとても楽しみです。影ながら応援しております。
転生したばかりの頃は何もかもが手探りどころか目の前も見えない状況で、上手くいくかどうかさえも分からずハラハラドキドキの連続でしたが、最後まで諦めずに試行錯誤をし続けた末に、漸く努力が結実した時の感動は計り知れません。
けれども魔法は何でも叶えてくれる万能能力ではなく、何かしらの長所があり短所があるというところを示しているのもまた現実味が帯びていて物語に深みを与える要素になっている点が素晴らしかったです。
そしてラストの希望を持てる締め括りや演出が、何とも言えないぐらいに素敵でした。
書籍化されたら買ってみたいと思った小説でございました。