静かで、少し悲しい

物語、としてはもう俺は年を取ったので、若者が恋に部活に迷っているだけできゅんきゅんしてしまうことを差し引くと、まだほとんど伝えられることはないけれど、とにかく文章が良い。好き。

文章を二次元でプロットすると、この作者の文章は、静かで、少し悲しい、のところに点が打たれる。それが良い。
通奏低音のように流れる、静かな悲しみは、凄く素敵だ。

物語そのものが、悲しい、という訳ではなくてですね。
文章に、何か分からない、悲しみのようなものがあって、それが良い。

それだけに、魂を奪われるというコスパ、悪すぎるだろと一見思ってしまう謎の結末は、とても気になるところで、
ちいさな悲しみを積み重ねて、彼らが幸せになることを、静かに誰にともなく祈るより、今のところはほかにない。

先が楽しみです。