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 翌日夕方、佐久間の事務所に黒木が顔を出した。事務所には佐久間と愛衣香の二人がいた。

「どうもありがとうございました。なんとか決着しました」ソファで佐久間と対面した黒木は佐久間に頭を下げた。

「ほう、どうなりました」

「やはりビンゴでした。それに他の犯罪も見つかってしまって」

「そうなんですか?」

「ええ、でも詳しいことは勘弁して下さい」

「いや、いいですよ。私は別に金さえもらえれば」

「今回はヤクザは絡んではいませんでしたが、大変お世話になったんで+50万円でお払いしますよ」

「本当ですか。さすが大企業だ。いやいやこれからも長いお付き合いをお願いしますよ」佐久間は小躍りした。

「こちらこそ宜しくお願いします」

「それじゃあ、打ち上げということで一杯いきますか。旬ももうすぐ帰ってきますんで」

「いや、私はお礼に来ただけなんで。仕事もまだありますんで」

「黒木さんも堅いなあ。まあでも一件落着してよかったですな。本当に」

 佐久間はあごひげを撫でながら応えた。

 黒木が帰って行ったのと入れ違いに旬が戻ってきた。

「旬、さあ呑みにに行くぞ。愛衣香も一緒にどうだ。今日は全部おれのおごりだ。」

「やったー。行く行く」愛衣香が声を上げた。

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Crazy Days~悪魔が舞い降りる夜~ 蒼井 円 @aoien

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