感想はとりあえず一言。
おもしろい!
最初の導入部はなかなかうまいな―って思いながら何の気なしに読み進めていたのですが、途中からみるみる引き込まれていくこの感じ言葉に出来ないのがもどかしい。
舞台的には現代の世界を元にしつつ、旧世代的な懸賞制度や、超科学に分類されるであろう飛行症候群等オリジナル要素が違和感なくすんなり世界に溶け込んでいるのもすごい。
最初の言葉どおり、登場人物が各人えらくフリーダムに暴れまわっているのに読んでいて気持ちいい。
個人的には灰音のシンデレラ=エンゲージがお気に入り。
とにかく読んでみてっ!
て薦められる一作です♪(* ̄∇ ̄)/
最初のページを開いた読者は思うだろう。童話とはなんぞや、と。だが続く文章に目を通したが最後、物語が途切れるまでのめり込むに違いない。
強盗童話は、魔女の媚薬よりも強く読者を物語に引き込む力がある。
世界中で愛される童話を下敷きにして組み上げられた新説は、ファンタジーよりいささかファジー。
世の秩序なんてお構いなしに、奪い奪われ追い追われ、執着と自尊心と豪胆が闊歩して、強い者だけが賞金首《スター》になれる。常識にガチガチに苛まれた人間が夢に見た世界が広がる。これを童話と言わずしてどうするのか。
あまりに中毒性が高く、刺激物より辛くて熱い、生涯を舞台にかけた老女優の迫真の演技より鬼気迫る物語。
臨場感ある重火器の火の雨やトリッキーな空中戦に飲み込まれたら、もうおしまい。
貴方は明日、朝の天気予報を見ながらこう思う。「ああ、今日は『彼ら』が暴れなければいいなあ」と……。
時間を忘れることうけあい。面白さは折り紙つき。
強盗童話中毒にくれぐれもご注意を。