何気ない、激動の半年。
- ★★★ Excellent!!!
人との距離感、空気、情景や思い――そういったものが五感に訴えかける繊細な表現で、けれどもくどくなりすぎることなく描かれていて、素晴らしいなと思いました。
気がつけば世界に浸って、それぞれの登場人物の視点で周囲を眺めていました。
光太郎たちが抱えている状況は大変ではあるのですが、渦中にある人は、それはそれとして受け入れて『日常』を送らなければならないし、その『日常』も、ちょっとしたバランスで崩れたり、逆に上手くいったりする。何気なく過ごしているような毎日であっても、ふと立ち止まり、振り返った時にドラマチックになる。そういう物語なのではないかと思いました。