概要
昼の彼しか知らなければ、きっと優しい人だと思った。
川を下り、見知らぬ街へ辿り着いた少女・愛。
川から彼女を助けたのは、森の丸太小屋にひとりで暮らす、白髪の男だった。
名は、朱。
火にあたり、服を借り、お茶を飲む。
少し無愛想だが、愛を助けてくれた男。
けれど、街で出会った青年シンは言う。
――夜は、あいつに近づかないほうがいい。
日が沈むと、朱の瞳は赤く染まる。
彼は夜ごと人の命を奪う妖精、レッドキャップだった。
それでも昼になれば、朱はまた静かな男に戻る。
愛はときどき、彼の丸太小屋を訪れるようになる。
小屋に残されたピアノ。
朱とシンの過去。
失われた家族。
そして、朱が忘れてしまった歌。
奇妙な三人の日々の中で、それらは少しずつ姿を現していく。
これは、歌を忘れた一羽のかなりやと、その傍らにいる人々の物語。
※童
川から彼女を助けたのは、森の丸太小屋にひとりで暮らす、白髪の男だった。
名は、朱。
火にあたり、服を借り、お茶を飲む。
少し無愛想だが、愛を助けてくれた男。
けれど、街で出会った青年シンは言う。
――夜は、あいつに近づかないほうがいい。
日が沈むと、朱の瞳は赤く染まる。
彼は夜ごと人の命を奪う妖精、レッドキャップだった。
それでも昼になれば、朱はまた静かな男に戻る。
愛はときどき、彼の丸太小屋を訪れるようになる。
小屋に残されたピアノ。
朱とシンの過去。
失われた家族。
そして、朱が忘れてしまった歌。
奇妙な三人の日々の中で、それらは少しずつ姿を現していく。
これは、歌を忘れた一羽のかなりやと、その傍らにいる人々の物語。
※童
大切な時間を使って読んでくださり、ありがとうございます。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!人間と妖精が織りなす、音と夜のミステリー
川で溺れた少女の愛は、青年の朱に命を救われます。
朱の紹介で出会ったシンに導かれ、人間と妖精が共に暮らす街に身を寄せた愛は、二人が「互いに会えない魔法」にかかっていることを知ります。
朱の住む丸太小屋を訪ねた愛は、古びたピアノの連弾やお茶の時間を通して、不器用ながら優しい朱と少しずつ心を通わせていきます。
人間と妖精が共存する日常と、凶暴な妖精がもたらすギャップや緊張感が印象的でした。
五感を刺激する丁寧な情景描写や、音を通じた感情の交流に引き込まれながら読み進めました。
登場人物たちの優しい関係性はもちろん、切ないミステリー要素や「夜」が見せる二面性など、いくつもの読みどころ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!「静かに近づく二人」と「優しい世界に潜む不穏さ」が気になるあなたへ
川を下り、見知らぬ土地へやってきた少女・愛。
そこで出会った白髪の青年・朱との交流を描いた物語です。
【ピアノから始まる二人の時間】
どこか近寄りがたい朱と、好奇心のままに動く愛。
ピアノやお茶を通して少しずつ距離が縮まり、二人で過ごす時間がだんだん温かくなっていくのが素敵だと感じました。
ずっと見守っていたくなる雰囲気があります。
【穏やかなのに、どこか不穏】
静かな野原や丸太小屋、流れる音楽。
優しい雰囲気の一方で、夜になると顔を見せる不穏な気配も。
丁寧な描写の中に不穏さを落としていくバランスが良く、物語に引き込まれました。
静かな雰囲気と小さな不穏の中で…続きを読む