概要
木を選び、乾かし、削る。急ぐのと速いのは違う。
その紙には、なんの杖を作れとも書かれていなかった。
杖に彫れる魔法は、一本につき一つきり。木に呪印を刻み、魔力を通せば、その一つだけが何度でも発動する。
木の街レイヴンウッドの杖職人オーレンは、仕入れから削り出し、呪印彫りまでを一人でやる。腕はいいが、名も金も規模も欲しがらない。冒険者ギルドの誘いも、魔法学校の誘いも、柔らかく断り続けている。
その工房へ、魔法学校の学校長が一枚の紙を置いていった。
術式の前半に、魔力を火にも風にも変える連なりがない。後半の並びは、何のための形なのか読めない。
「急がない。予算はいつもお願いしている範囲で頼むよ」
要る木は鋼藍木。硬く、割れやすく、買い手が杖職人しかいないせいで市場に出回らない。自生地は、魔物の出る灰月の森だけだった。
護衛を四人雇
杖に彫れる魔法は、一本につき一つきり。木に呪印を刻み、魔力を通せば、その一つだけが何度でも発動する。
木の街レイヴンウッドの杖職人オーレンは、仕入れから削り出し、呪印彫りまでを一人でやる。腕はいいが、名も金も規模も欲しがらない。冒険者ギルドの誘いも、魔法学校の誘いも、柔らかく断り続けている。
その工房へ、魔法学校の学校長が一枚の紙を置いていった。
術式の前半に、魔力を火にも風にも変える連なりがない。後半の並びは、何のための形なのか読めない。
「急がない。予算はいつもお願いしている範囲で頼むよ」
要る木は鋼藍木。硬く、割れやすく、買い手が杖職人しかいないせいで市場に出回らない。自生地は、魔物の出る灰月の森だけだった。
護衛を四人雇
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