概要
指を、横に払う。それだけで、人ひとりが世界から消える。
視界に浮かぶUIを、指先ひとつで操作する。ドラッグで標的を"ゴミ箱"へ運び、スワイプで払う。それだけで、人ひとりが──存在ごと、消える。肉も、声も、その帰りを待っていた誰かの記憶も、まとめて世界から。あとには、最初からいなかったことになる。
神坂 仁(かみさか じん)、通称「ゼロ」。世界OSに公認された、都市でただ一人の"消す掃除屋(スワイパー)"だ。ピンチで距離を歪め、スワップで敵の立ち位置を入れ替え、指先のUI操作を異能に変えて標的を捌く。ただし、同時に触れられるのは二つまで。彼の指は、いつも誰かを消している。
だが昼の仁は、まるで逆のことをしていた。「なんでも屋」の看板を掲げ、客のつらい記憶を消さずに"預かる"。消される側の人間は、消える前に、いちばん失いたくない記憶を硬貨や
神坂 仁(かみさか じん)、通称「ゼロ」。世界OSに公認された、都市でただ一人の"消す掃除屋(スワイパー)"だ。ピンチで距離を歪め、スワップで敵の立ち位置を入れ替え、指先のUI操作を異能に変えて標的を捌く。ただし、同時に触れられるのは二つまで。彼の指は、いつも誰かを消している。
だが昼の仁は、まるで逆のことをしていた。「なんでも屋」の看板を掲げ、客のつらい記憶を消さずに"預かる"。消される側の人間は、消える前に、いちばん失いたくない記憶を硬貨や
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