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概要
誠実に、付け入るものがいる。
幼い頃に読んだ英雄譚が植えつけた"硬派"の価値観に縛られ、想いを言葉にできない少年・カイ。夏の講堂で出会った少女エリルに、在学中ついに一言も話しかけられないまま卒業する。数年後、"感情のない盤鬼"と呼ばれる棋士になったカイは、大盤宮の決勝卓で彼女と再会した。エリルは、カイと話すために盤の言葉を覚えていた——。だが対局の最中、世界に"女王"の侵食が牙を剥く。それは慎み深さ、誠実さ、「正しくあろうとする心」にこそ寄生する呪い。壁面を走る黒装束の男ロドに導かれ、二人は世界の裏側『スーラ・タワー』へ。恩師との対峙、外道狩り、そして全知の少女との盤上戦。踏み込めなかった不器用な沈黙こそが、何者にも読めない最強の武器になる。恋と呪いの、静かな反撃が始まる。
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