北野武監督は、インタビューで、あなたの作品は、暴力的だ!と言われた。北野監督は、おれなんて、10人も殺していない。シュワルツェネッガーなんて、100人、200人殺してるじゃないかと反論した。すると、インタビュアーは言った。あんなの、ただのエンタメです。あなたのは、痛い。わきの未知様のお作品。読ませていただき、不謹慎だと思った。しかし、そんなこと言ったら、もっとひどいことをしてる作品はいくらでもある。ミステリー、SFはその傾向が顕著である。けれど、ソレは不謹慎だとは思わない。きっと、わきの様のは、痛いのだ。
妻と息子とともに新幹線に乗った「僕」。京都に向かって、穏やかな時間が流れる。だが、突如アラートが鳴り響き、日本の危機が告げられる。私たちの生きる世界は、常に平和なわけではない。いきなり大人数が命の危険にさらされることだって起こる。でも、日常は止まらない。学校も会社も、平常業務だ。この物語の世界は、一見すると異常なように見える。けれども、私たちの世界とあまり変わらないようにも見えてくる。非常事態にあっても、「日常」はなかなかに強力なのだ。ユーモアと際どい皮肉が楽しい本作、ぜひお楽しみいただきたい。
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